三菱重工、買収の思惑 ボンバルディア小型ジェット機「CRJ」事業 「MRJ」改称も関係か

「スペースジェット」の「スペース」は「宇宙」にあらず…その真意

 筆者は2010(平成22)年にミラベルのCRJ製造拠点をはじめとする、ボンバルディア・エアロスペースの施設を見学しましたが、ボーイングやエアバスといった欧米の巨大企業よりも、日本企業に近い雰囲気を感じました。また、三菱重工業はMRJ事業が本格化する以前に、CRJの開発と製造にも参画していたことがあります。企業風土や文化の違いなどによって、新たな雇用者となる三菱重工業と、ボンバルディア・エアロスペースのスタッフに軋轢が生じる心配はあまり無いと思われます。

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「スペースジェット M100」の客室の様子。頭上の手荷物収納棚には、乗客ひとりにつきひとつずつ、ローラーバッグを収納できるだけのスペースを確保(画像:三菱航空機)。

 前にも述べたように、三菱航空機は6月13日にMRJをスペースジェットに改称すると発表していますが、同社は6月17日(月)に「パリ国際航空宇宙ショー」の会場で行った会見でも、スペースジェットという新名称の由来の明確な説明を行いませんでした。

 6月17日付の朝日新聞はスペースジェットという名称について、「広々とした」という意味を持つ「スペーシャス(Spacious)」に由来していると報じています。三菱航空機の水谷久和社長も「パリ国際航空宇宙ショー」の会見で、「リージョナルジェット」には座席が狭く、乗客が苦痛を強いられているイメージがあり、スペースジェットを良好な居住性を持つ新しい航空機とするため、あえて「リージョナル」という言葉を外したと述べており、朝日新聞の報道を裏付けた形となっていますが、筆者は新たに戦力に加わるボンバルディア・エアロスペースの従業員やカナダ国民の心情も考慮して、「リージョナル」だけでなく「三菱(Mitsubishi)」という名前も外し、「スペースジェット」という、しがらみの無い名前に改称したのではないかと考えています。

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コメント

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1件のコメント

  1. 全然激震ではないだろ