三菱重工、買収の思惑 ボンバルディア小型ジェット機「CRJ」事業 「MRJ」改称も関係か

ボンバルディアはカナダの、航空機や鉄道車両の生産など重工業を柱とする企業ですが、その小型航空機部門を三菱重工業が買収しました。MRJの呼称変更も無関係ではないと見られます。これら一連の流れとその背景を追いました。

世界のライバルと戦うために

 三菱航空機は「パリ国際航空宇宙ショー」の会見で、これまでMRJ90と呼ばれていた90席クラスのモデルを「スペースジェット M90」に改称し、新たに70席クラスの「スペースジェット M100」を開発する構想を発表しています。

 アメリカには「スコープクローズ」と呼ばれる、近距離を結ぶ「リージョナル航空路線」で使用する航空機の座席数と大きさ、重量の制限を定めた、航空会社とパイロットの労働組合との協約にうたわれる条項がありますが、スペースジェット M90もライバルのエンブラエルE175-E2も、現在のスコープクローズの条項には適合していません。スコープクローズの重量と座席数の制限が緩和されないと、大手航空会社から委託を受けてリージョナル路線を運航している航空会社では、スペースジェット M90もエンブラエルE175E-2も運航できないことになります。

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「スペースジェット M100」の座席レイアウト案(画像:三菱航空機)。

 三菱航空機はスコープクローズの重量と座席数の制限をクリアできる、MRJ90の胴体を短縮したMRJ70の開発も進めてきましたが、今回発表されたM100は貨物室のサイズを縮小して客室を拡充するほか、すべての乗客のローラーバッグ(キャリーケース)を収容できるオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)の装備、機内インターネットへの接続に対応するなど、同クラスのリージョナルジェット機を上回る居住性を備えた、新設計の旅客機として構想されています。

 スペースジェット M100は現在、機体の設計方針を定めるコンセプトスタディの段階にあり、開発が正式決定したわけではありませんが、6月19日に北米の顧客とのあいだで同機15機の売買に関する協議を開始するMOU(了解覚書)を締結したことが発表されたことで、開発の正式決定に一歩前進したといえます。

 CRJ事業の買収、MRJのスペースジェットへの改称、新モデルM100の開発は、いずれも三菱重工業と三菱航空機にとって大きな賭けであることも確かですが、ライバルのエンブラエルがボーイングとの結びつきを強めていくなかで、三菱重工業と三菱航空機が世界の旅客機産業、さらに言えば航空産業で生き残りを図る上で、賭けてみる価値のある賭けであるとも筆者は思います。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 全然激震ではないだろ

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