方南町駅改良の陰に西新宿&中野坂上あり 東京メトロ丸ノ内線、ダイヤ刷新の背景

東京メトロ丸ノ内線の支線の終点、方南町駅ホームが6両編成に対応し、新宿・池袋方面との直通運転を開始しました。しかしそもそも方南町支線とは何なのか、そしてなぜいま方南町駅を改良したのか、その経緯や理由を探ります。

車庫につながる路線として建設された方南町支線

 丸ノ内線が建設されたのは戦後ですが、実は原型となる池袋~新宿間を結ぶ路線は戦時中に計画されたものです。戦局の悪化で工事は中止されますが、用地買収は進められ、その時に確保しておいた土地のひとつが中野富士見町の車庫用地でした。こうした経緯から、戦後の丸ノ内線計画は当初、中野富士見町を起点に東にまっすぐ向かい、新宿、四ツ谷、赤坂見附を経由する路線として構想されました。

 ところが高度経済成長が始まると、通勤利用者の増加で国鉄中央線の殺人的な混雑が大きな問題になります。そこで丸ノ内線は中央線の混雑緩和を目的に、新宿から荻窪まで青梅街道下を掘り進める計画に改められました。一方、せっかく都心近くに確保した車庫用地を活用するため、中野坂上から分岐する支線を設定し、鉄道空白地帯であった中野新橋~方南町間の通勤需要にも応えることになりました。こうして当初計画とは違う形で建設された新宿~荻窪・方南町間は「荻窪線」と名付けられたのです。

 中野坂上~方南町間の支線は、計画時の交通需要推計から将来的にも4両編成を4分間隔で運転すれば十分とみなされており、6両で運転される本線とは直通運転を行わない前提で建設されました。ところが『荻窪線建設史』によれば、中野新橋駅、中野富士見町駅はホーム延長120m、方南町駅も110mを確保し、いずれも6両編成の列車が停車可能な構造として設計したと明記されています。

 1両18mの丸ノ内線は6両編成で約108m、丸ノ内線本線には茗荷谷などホーム延長110mの駅が存在するように、車両はホームに収まる計算です。ただ、方南町駅は終点ですから、過走すると車止めに衝突する危険があるため、営業運転での使用は現実的ではなかったようです。

 方南町の開業から6年後の1968(昭和43)年から、中野坂上駅の混雑を緩和するために新宿止まりの列車を中野富士見町駅まで延長する折返し運転が始まりました。方南町駅のホームがもう少し長かったら、方南町駅までの直通運転は50年早く始まっていたのかもしれません。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 分かりやすい丁寧な説明でした。まだ乗ったことがないので、乗りに行きたいと思います。

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