回れ回れ、いすゞのF1エンジン! 実際にサーキットを走った幻の「ロータス102C」とは

ガソリンエンジンの技術力を示せ!

 2019年現在の日本国内におけるいすゞ自動車は、ディーゼルエンジンを中心としたトラックのメーカーとしてのイメージが強いかもしれませんが、かつては「アスカ」「ジェミニ」など、ガソリンエンジンモデルをラインナップする乗用車の製造、販売をしていたこともありました。

 そのいすゞがF1エンジンを作ることになったのは、「ガソリンエンジンの開発技術力向上(最新技術の習得、開発スピードアップ)を目指してのもの」と、当時を知るいすゞ自動車の社員は話します。

「自動車レース最高峰の、『グループC』レギュレーションである『スポーツカー世界選手権(3.5L NAクラス)』またはF1に参戦できるエンジンを作り、レース参戦を計画したのがきっかけでした」

 1990年1月に企画設計を開始し、1990年12月末には初号機が完成、1991年1月よりベンチテスト(ダイナモメーターによる性能評価)を開始します。

「初号機での出力性能が目標を達成し、レースで十分戦えることが実証できたので、実車テストの段階に推移しました。初号機の性能が目標を達成しなかった場合、実車テストはありませんでした」

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タミヤ本社の「ロータス102B」。ミカ・ハッキネンの名前が見えるが、テストではジョニー・ハーバートがドライブした(2019年5月9日、乗りものニュース編集部撮影)。

 その実車テストですが、なぜロータスのマシンに載せることになったのでしょうか。ネット上などでもいくつかの噂が散見されますが、今回、改めていすゞ自動車に問い合わせたところ「1991年5月に、チーム・ロータスのスタッフ2名が日本のスポンサー企業を訪れた際、ある人物を介して紹介され会うことができ、テストすることとなりました」とのことでした。チーム・ロータスのスタッフと直接交渉し実現した、というのが真実のようです。

【写真】ジョニーも乗ったル・マン優勝車「マツダ 787B」

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コメント

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1件のコメント

  1. いすゞはディーゼルの真打ちだからね
    アスカ、正確にはフローリアン アスカ、これまた先祖のフローリアンを遡ればガソリンエンジンに妥協しないメーカーであることも分かるでしょ
    今のAMTの原型であるNAVI5や寒冷地におけるディーゼルの始動性向上の為に開発されたセラミックグロープラグ
    発送豊かな面では日本一のメーカーだと思いますよ。
    初代ピアッツァのJR型は今でも通用するデザインだしね。