海自P-1とは大違い! 哨戒機P-8はどんな飛行機? 同じP-3C後継機の異なるコンセプト
「哨戒機」とはおもに潜水艦の発見、攻撃に用いられる軍用機のことです。海上自衛隊では長らく運用されてきたP-3C哨戒機を国産のP-1が後継していますが、アメリカ海軍などではP-8を採用。同じ哨戒機でも設計や運用はだいぶ異なります。
P-8Aと「MAD」をめぐる議論にメーカーの見解は?
アメリカ海軍やオーストラリア空軍などが採用したP-8Aは、潜水艦が発する磁気による磁場の乱れを探知する「MAD(磁気探知装置)」を備えていませんが、インド海軍が導入したP-8Iは、P-3C哨戒機や海上自衛隊のP-1哨戒機と同様、MADを尾部に装備しています。
日本では、MADを装備していないP-8Aは潜水艦の探知能力において、P-3CやP-1に比べ劣るのではないか、という見方もあります。そうした声を筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)が、ボーイングでP-8担当のシニア・マネージャー兼グローバル・セールス・マーケティング担当を務めるスティーブ・トリップ氏に伝えたところ、氏は「MADの価値は依然として低下しておらず、哨戒機を運用する海軍や空軍がどのような対潜水艦作戦を構想しているかで、MADが必要であるか否かが決まります」と述べています。
さらに、水中で潜水艦の発する音波を受信して航空機に送信する潜水艦探知装置「ソノブイ」の進化などにより、「MADを装備していなくてもP-3Cと同様以上の対潜水艦作戦が遂行できると判断して、アメリカ海軍やオーストラリア海軍はP-8AにMADの装備を求めませんでした」としています。
何で燃費の悪い4発機を資源がない日本が採用したんだろう?