CTスキャン検査をデリバリー可! 初の災害派遣「CT診断車」、なぜ陸自に配備?
2019年10月に起きた台風19号の災害派遣で、陸上自衛隊の「CT診断車」が初めて出動しました。実は民間にもあるというCT診断車ですが、そもそもなぜ陸上自衛隊に配備されているのでしょうか。
配備から8年、初めての災害派遣
2019年10月、台風19号によって浸水被害を受けた福島県郡山市の星総合病院に、陸上自衛隊の「CT診断車」が災害派遣されました。病院で受けるCTスキャン検査の機械を搭載した車両です。冠水し各種医療機器に被害を受けた同病院を支援するのが目的といいます。
同車は、静岡県駿東郡小山町にある自衛隊富士病院の所属で、同病院によると2011(平成23)年に配備され、CT診断車が災害派遣されたのは今回が初めてとのことです。
市販の大型トラックがベースで、悪路での走行は想定していないといいます。陸上自衛隊に配備されている理由は、衛生科の教育訓練と国外を含む各地への派遣を想定してとのことです。
民間にも同じようにトラックベースのCT診断車は存在しますが、陸上自衛隊のものは発電機を内蔵し、外部からの電源供給がなくても稼働するのが特徴で、さらにベッドや担架に乗せられた状態の患者も診断できるよう、車体後部にリフトを装備しています。
サイズは幅約2.5m、高さ約3.5m、長さ約12mで、重さは約19.5tです。トラックとしては大きいですが、トレーラータイプではないため、通常の大型免許で運転可能です。
一般車と同じナンバープレートを付けているため、一見すると緑色の大型トラックにしか見えませんが、同車は陸上自衛隊が保有する装備のひとつで、バンパーには富士病院所属を表す「富病」の表記が入っています。
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