韓国新型戦闘機KF-X、したたかな開発戦略と現状 空自F-2後継機の少し先でどうなった?

必要な技術を他国に求めると…?

 韓国はKF-Xを本格的な戦闘機として開発するにあたって、アメリカ政府と各メーカーに対して、ステルス技術を含む25項目の技術移転を要望していました。しかしアメリカ国務省は2015年に、「ステルス技術」に加えて「AESAレーダー」、ステルス性能の高い目標の捜索と攻撃でも威力を発揮する「電子光学照準システム」、敵の攻撃に対して電波妨害などを行なう「自己防御装置」の4項目に関しては、韓国に技術移転を行なわないことを決定。残る21項目の技術移転にも難色を示したことから、韓国国内ではパク・クネ大統領(当時)の責任を問う政治問題にまで発展しました。

 最終的にアメリカは21項目の技術移転に関しては同意しましたが、前に述べた4項目の技術移転は認めませんでした。このため韓国は、ヨーロッパやイスラエルなどの企業の協力を得ながら、国内企業を総動員してステルス技術やAESAレーダーなどの開発に取り組みます。そして2019年9月26日、空軍の要求する条件をすべて設計に反映することが可能であるとの結論に達したことから、試作段階へと移行することを決定しました。

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アメリカから電子光学照準装置の技術移転がかなわなかったことから、韓国企業が開発した赤外線捜索追尾システム(竹内 修撮影)。

 防衛事業庁はKF-Xの試作1号機を2021年上半期に完成させ、2022年上半期から飛行試験を開始。2026年までに開発を完了し、同年中に空軍へ数機を納入するという最新目標を発表しています。

 こうして、韓国は紆余曲折を経て、KF-X試作機の製造へと駒を進めましたが、韓国がKF-Xで経験した紆余曲折は、日本にとって決して他人事ではありません。

【写真】大型ディスプレイが目立つ「KF-X」のコックピット(モックアップ) ほか

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コメント

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4件のコメント

  1. 「KF-X」の目指してる要素は今更な4・5世代機だしね(F-35やF-22は第5世代機、F/A18Eスーパーホーネットは4・5世代機) 。
    残念ながらF/A18Eスーパーホーネット程の性能を出せるとは思えない。
    性能的にもF-15Eの下位機になるんじゃないのかな(生産・整備技術の低いK国じゃ予定通りの性能を安定しては出せないでしょ)
    K国がアメリカからの技術提供を受けられなかった一番の原因は、軍事技術漏洩の前科が有るからで、一度でもやった事のある国は信用できないからであって当たり前の処置ですよ。
    ステルス性を期待できない構造をロシアからのステルス性?のある塗料でカバーするみたいだし。
    F-35にしても完成機しか輸入できない上に、簡単な整備しか出来ない制限付き(大規模な整備や修繕には日本かオーストラリアまで持っていかなければならない・・・アメリカにはそれだけの技術が無いと見られてるのと、不用意な情報流出を懸念しての措置)まぁ、日本に頼むのは嫌だからオーストラリアまで運ぶ事になるんじゃないかな、軽空母と謳った揚陸艦でも使って。
    自衛隊の次期支援戦闘機の開発は、第五世代機から第六世代機を目指してのものらしい。
    が、今回を逃すと無人戦闘機開発に移るのではとの声も・・・
    エンジンに関しては良い物を開発できた様では有るが。

  2. 技術移転?
    日本をなめるなよ‼️
    F-2で常用戦闘機では世界初の
    「アクティブフェイズドアレイレーダー」を
    実用化
    大型の対艦ミサイル4発搭載するためにベースのF-16より主翼が大きくなってしまうので、
    炭素製複合材(カーボン)で製造

  3. 尖閣などへの脅威によって、我国もついに空母運用へ舵を切るなど、これからは離島防衛のウエイトが上がるので、現行の戦闘機のような長い滑走路が必要な戦闘機思想はこれからの時代に即しているか疑問。
    これからの支援戦闘機には、ステルスとSTOVL能力がウエイトを占めてくる気がする。

  4. Made in Korea = Fuck.