世界最先端! WW2期ドイツ戦車の「戦後」とは? パンター戦車に見る21世紀の現役技術

自国技術がないならドイツの技術をパクッてしまえ

 ソ連軍はドイツと激しい戦車戦を1941(昭和16)年から繰り広げており、III号戦車やIV号戦車など含めて鹵獲したドイツ軍戦車を自軍装備として用いていました。「パンター」も「V号戦車」という型式名から、「T-5(もしくはT-V)」という自軍名称で運用しています。

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第2次世界大戦後の1946(昭和21)年、ルーマニア国内をパレードするルーマニア陸軍の「パンター」戦車。

 西部戦線では、イギリス軍が戦場で鹵獲した「パンター」に連合軍所属であることを示す白星を描いて、自軍戦車として用いました。

 ソ連とイギリスの使用期間は、あくまでも第2次世界大戦中に限定されましたが、戦後もパンターを運用した国がありました。それはフランスとルーマニア、ブルガリアです。

 とくにフランスは、鹵獲した車両に加えて、戦後、自国の戦車工場で予備部品を再生産させ、国産戦車が登場するまで自軍の戦車部隊で運用していました。

 しかもフランスは、第2次世界大戦中、本土がドイツに占領されていたため、その間、戦車開発が途絶えてしまったことから、米英ソといったほかの戦車開発国に手っ取り早く追いつくために、なんと「パンター」の技術コピーまで行いました。

 たとえば戦車砲。第2次世界大戦後、フランスはAMX-13軽戦車や、装輪式のEBR戦闘偵察車などを開発しましたが、これらに搭載された75mm砲の原型となったのが、ドイツの「パンター」戦車が搭載していた7.5cm戦車砲でした。「パンター」と比べて車体が小さい両車に搭載するために、砲身長こそを短くしたものの、それ以外の構造はほぼ一緒でした。

【写真】WW2末期、イギリス陸軍が使った「パンター」

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