「電車(ロマンスカー)運転士」の仕事を聞く なり方 勤務内容は? 2階運転席のよさ

「責任の重い仕事」だけれど…

――先輩運転士と、縦のつながりもあるのでしょうか?

 当社の運転職場(電車区)では「組制度」といって、1年間同じサイクルで乗務するいろいろな世代の男女運転士で構成された12名から15名のグループがあり、そこで日々の乗務に関する情報交換も行っています。職場のレクリエーションなど、この組ごとにコミュニケーションを図っています。

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電車運転士という仕事について「責任は重いけれど確実にやりがいがあり楽しい」と話す南場さん(2019年10月24日、乗りものニュース編集部撮影)。

――7月に主任になり、今後は指導する立場ですが、後輩にはどんなことを伝えたいですか?

 大前提として、運転士はお客様の命をお預かりする仕事なので、生半可な気持ちでなってほしくない、という思いがあります。時代と逆行するかもしれないですが、叱られてもくじけずについてきてほしいです。それだけ責務がある、重い仕事なんだということを理解し、覚悟を持ってもらいたいです。そして、本当に責任の重い仕事だけれど、確実にやりがいがあって楽しい仕事だということ、それを私が見せて、体現していきたいと思っています。

――小田急の運転士を志望する人に、ひと言お願いします。

 小田急電鉄の採用情報にもありますように学部学科は不問、私自身も会社に入るまで電車のことは詳しくありませんでした。知識や技能の習得は研修が始まってからでも全く遅くありません。運転士になるには、駅係員、車掌の経験が必要です。多くの試験や試練なども待ち受けていますが、どの仕事にも真面目に取り組み、楽しんで仕事ができる方が向いていると思います。

 あとは社会人としての基本の「き」、あいさつが元気よくできる方は大歓迎です。

 ロマンスカーを運転できるのは小田急の運転士の醍醐味(だいごみ)です。沿線の四季を感じながら、お客さまに上質なサービスを提供することのできる運転士の仕事はとてもやりがいがあります。

※ ※ ※

「ハンサムウーマン」と呼びたい凛とした美しさ。落ち着いた口調で力強く語る南場さんの心意気に、同席していた元運転士の広報担当者が目を潤ませていたのも印象的でした。ちなみに南場さん、待ち合わせは常に1本前の電車に乗る主義で、「普段も時間には細かいです」だそうです。

●ロマンスカー運転士のお仕事:小田急電鉄株式会社 南場正美さん
・制服似合い度 ☆☆☆☆☆両
・運転勤勉指数 ☆☆☆☆☆両
・危険対応能力 ☆☆☆☆☆両
・待ち合わせ確実度 ☆☆☆☆☆両
・後発性鉄道ファン度 ☆☆☆☆両(増量中の模様)

【了】

【写真】小田急の運転士が愛用する懐中時計

Writer: 大西紀江(ライター/編集者)

静岡・伊豆出身のライター、編集者。乗りものオタクの総本山ともいうべき某出版社の編集を経て、フリーランスに。以来、自動車を中心に模型から時計まで、幅広く執筆&編集を手掛ける。象の調教師の免許あり。

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