戦車がはく「スカート」って何? 弱点というだけじゃない足元を見せたくない事情とは

スカートの厚さは防御力と整備性の天秤で決まる

 他方で、サイドスカートもぶ厚くしたり、複合装甲を挟み込めば防御力を高めることはできます。しかし当然、防御力を高めようとすれば重くなります。

 サイドスカートは、点検や整備の際は、跳ね上げたり外したりすることの多い部分です。特に状況によっては人力でそれらを行う場合もあります。あまり重たくしてしまうと、今度は保守整備の面で問題となってしまいます。

Large 191128 tank skirts 02

拡大画像

旧ソ連のT-72。ゴム製のサイドスカートで丈も短い(2019年6月、柘植優介撮影)。

 そのため、サイドスカートひとつとっても国によって考え方が異なり、ぶ厚いものを取り付けている戦車もあれば、被弾しやすい前方のみぶ厚くし残りは薄いままの車両、不整地を走ることが多いため、脱着しやすくコストもかからないゴムの小さいもので済ますものなど、さまざまです。

 陸上自衛隊では90式戦車で初めてサイドスカートを装着するようになりましたが、90式戦車は鋼板だけだったのに対し、その後登場した10式戦車では上半分が鋼板、下半分がゴムのハイブリッドとなっています。

 なぜ10式戦車は鋼板とゴムの混用なのかというと、サイドスカートは大きくした方が防御力や赤外線抑制効果は高まりますが、あまり大きくすると、今度は地面と接触しやすくなってしまうため、その点を踏まえて下半分をゴムにしているのです。そのためゴムスカートの部分は防御のためよりも赤外線抑制の意味合いの方が強いです。

 戦車は足元をさらすと思わぬ危険が待っています。そのため、スカートのめくれ上がりには気を付けています。

【了】

【写真】防御力最優先、ぶ厚いスカートが特徴のチャレンジャー2

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

最新記事

道路交通情報(外部サイト)

  • 「最新の交通情報はありません」

コメント

1件のコメント

  1. ガルパンでも語られてたっけ?