零戦役も「航空機界の名俳優」と呼ばれたT-6「テキサン」いまなお空飛ぶWW2期の練習機

その見た目から映画界へも進出!

 そしてその機体の風貌を生かし、最も同機が輝いたのが映画出演です。前記した『トラ・トラ・トラ!』では、おもに零戦役として登場。役者などと一緒に接写される機体は、零戦21型の翼端折り畳み機構も再現されており、「テキサン・ゼロ」という通称でファンのあいだでは有名です。

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2006年フロリダ州ジャクソンビルにて、飛行中のT-6「テキサン」(画像:アメリカ海軍)。

 その後も『太陽の帝国』(1987〈昭和62〉年公開)では零戦52型として、『エイセス/大空の誓い』(1992〈平成4〉年公開)では、麻薬組織の野望を阻止するために、対地ミサイルを搭載した改造零戦役で出演し、日本人パイロットの堀越役で出演していた俳優、千葉真一の愛機となっていました。また『遠すぎた橋』(1977〈昭和52〉年公開)では、詳細な機体名は不明ですが、P-47「サンダーボルト」と思われる役として登場し、対地攻撃シーンなどを担当しています。

 実は邦画でも出演経験があり、『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』(1960〈昭和35〉年公開)では、九七艦攻を意識した機体で使用され、『太平洋の翼』(1963〈昭和38〉年公開)では、逆にアメリカ軍艦載機役として登場しています。

 ほかにも、ドイツ映画の『U・ボート』(1981〈昭和56〉年公開)に登場する、基地を爆撃する攻撃機も「テキサン」だといわれています。

 これだけ数々の映画に出演できるのは、やはり、レシプロ戦闘機としての基本形ともいえる形で、色々と付け足しやすいのと、機体数の多さにあるのでしょう。

 現役時代は名教官として世界各国でパイロットの育成を担当し、引退後は、銀幕の舞台へ転身、名俳優となった「テキサン」。練習機としても撮影用改造機としても、今後ここまで名を残す練習機は現れないかもしれませんね。

【了】

【写真】航空自衛隊で実際に使用されていた鮮やかな黄色のT-6練習機

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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