425km/hの新幹線高速試験電車952・953形「STAR21」 総合力を武器にしたその戦いの歴史

新幹線の速度向上には環境対策は必要不可欠。静かに速く走るために、高速試験車のSTAR21には、どんな機構が組み込まれたのでしょうか。車両だけでなく、レールなどインフラの技術にも工夫がありました。

騒音を減らすために凝らされた工夫

 まずSTAR21の試験目的は、「300km/hでの営業運転の実現」でした。そのためには、試験車両はその1~2割増しの速度である350km/hを安定して出せる性能が求められました。さらに350km/hまでの到達時間もできるだけ短くする必要性から、高速域での加速性能を高め、目標とする最高速度は400km/hとされました。

 しかし400km/hも出すと、騒音が大きくなります。騒音には車輪がレール上を転がることで発生する転動音、パンタグラフが架線をこすることで生じる摺動音、空気を切り裂いて走行することで発生する空力音などがありますが、このなかでも速度の6乗に比例して大きくなる空力音の削減には、特に対策がなされました。

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宮城県のJR東日本新幹線総合車両センターに保存されている「STAR21」の953形先頭車(2019年5月、草町義和撮影)。

 車体には、たとえば車体と窓の段差、連結部分の段差、機器類の露出など多くの凸凹があります。STAR21ではこれらを徹底的に平滑化しました。窓ガラスと車体の段差を可能な限りなくし、連結面もカバーをつけて平らにしたほか、屋上機器はすべて床下か車内に収納。パンタグラフ以外は何も載せていません。なおパンタグラフには大きなカバーをつけ、空気の流れを阻害しないようにしています。

 先頭の形状はくさび状のスタイルとなり、前後のスタイルを若干変えて比較試験を行っています。ノーズ長は1号車の952形が7920mm、9号車の953形が6500mmとE5系の約半分で短いもの。これは当時の高速試験区間にはトンネルがなかったため、高速走行に伴いトンネルの出口などで発生する空気の圧力波対策よりも、空力音削減を考慮した先頭形状ととらえることができます。

【写真】JR東日本の最新高速試験車「アルファX」

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