425km/hの新幹線高速試験電車952・953形「STAR21」 総合力を武器にしたその戦いの歴史

新潟県内で達成した最高時速

 新幹線は乗客からの運賃をもとに利益を出す交通機関なので、経済性も疎かにはできません。そこでさまざまな軽量化対策を試みて、当時の主力車両であった200系新幹線電車8両編成(501.4t)の約半分となる編成重量265.6tを実現しています。車両が軽くなればそれだけ動かすエネルギーを削減でき、経済性を損ねることなく高速運転が可能になります。

 STAR21の高速度試験は1993(平成5)年11月~12月に行われました。この際、電動車を1両追加して出力を1.5倍に向上。ギア比を高速寄りにセッティングして万全の態勢で臨みました。

 12月20日23時45分に浦佐駅(新潟県南魚沼市)を発車。長岡駅(同・長岡市)を通過したあたりから速度記録に向かって加速し、燕三条駅(同・三条市)を413km/hで通過したのち、半径10000mのカーブを速度を維持したまま通過。さらに加速し、日付が変わった12月21日0時1分、燕三条~新潟間で425km/hを記録しました。小雨が混じるなか、車輪の空転を技術的に抑える場面もありましたが、無事に試験走行を終えました。

【写真】JR東日本の最新高速試験車「アルファX」

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