旧ソ連の秘密兵器「ロケット戦車」を知っているか?「未来の戦車」として誕生するが…

冷戦時代のソ連といえば秘密のベールに包まれた国で、噂のみ伝わっていた秘密兵器が数十年後、西側諸国にようやく明らかになることがままありました。「ロケット戦車」もそのひとつ。作られた背景には、当時のお国柄が透けて見えます。

狭い車内 複雑な機構 もちろん難航 その果てに…?

 オブイェークト775には戦車砲が装備されているように見えますが、これは火薬の圧力で弾薬を発射する火砲ではなく、対戦車ミサイル「ルービン」のランチャーです。口径は125mmで、ロケット推進式榴弾「ブル」も発射できました。「ルービン」の最大射程は4kmとされています。

Large 20191212 01
「オブイェークト775」の断面図。真んなかに円形弾倉がある。

 乗員は砲塔内にしか入れる余地がなく、2名とされました。車長は操縦手を兼ね砲塔の右側に位置しましたが、座席は砲塔の動きに連動せず、常に一定方向を向くような仕組みになっていました。装填手は居ないので、7発収納できる回転式弾倉の自動装填装置を備え、車体前部の弾庫から弾倉に弾を送り、これが上下して弾を装填するという構造を備えます。7発まで連続発射でき、弾倉を撃ち尽くすと砲塔は正面を向いてまた弾庫から1発ずつ弾倉に補充されますが、この間の射撃はできなくなります。

 こうした複雑な機構を前述のような異形の車体に詰め込もうとした開発は、予想どおり難航します。対戦車ミサイル「ルービン」は取り扱いが難しくて精度もいまひとつ、独特の自動装填装置や砲塔の構造は複雑で不具合が多発、極端に薄っぺらな車体に押し込められたエンジンや変速機は不調で調整も難しいなど、技術的課題が解決できません。しかも実用試験で、車体が低すぎて視察能力が悪いと指摘されるようでは、根本的にコンセプトが間違っていたのではないかと突っ込みたくなります。結局この未来戦車は実用化のめどが立たず、開発は放棄されました。

【写真】低い 薄い 平べったい! 「オブイェークト775」と人間の比較 ほか

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. sine

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス