世界初 魚雷迎撃魚雷「シースパイダー」あらわる 潜水艦と水上艦の戦い 変わるのか?

目には目を、の言葉どおり、魚雷に対し魚雷で対抗するという世界初の新兵器が展示会に出展されました。アメリカ軍も断念したというその新兵器を開発したドイツ企業、前身はUボートを建造していた会社だそうです。

魚雷への対抗手段としての「魚雷」

「シースパイダー」は、潜水艦が発射した魚雷の接近を探知すると、水上艦艇では甲板上に設置された箱状の発射器から、潜水艦では魚雷発射管から射出され、搭載するソナーによってパッシブ/アクティブに魚雷の位置を補足、最終的にこれを迎撃します。この際、距離が近ければ魚雷に対し直接接触して爆発する直撃破壊(ヒットトゥキル)方式をとることもできますが、ブースで説明にあたっていた担当者によれば「直撃破壊でなくとも、魚雷の近隣で爆発するだけでも効果は十分です。なぜなら、これによって魚雷の機能に損傷を与えたり、あるいは爆発で生じる雑音によって魚雷が目標を見失ったり、という効果が期待できるためです」とのことです。

 また「シースパイダー」の特徴について、担当者はアメリカ海軍が開発を進めていた対魚雷用システムの「CAT(魚雷用対抗手段。魚雷を直撃破壊によって迎撃する装備)」と比較しながら次のように語りました。

「アメリカ海軍のCATは、もともとATT専用の装備として一から開発をスタートしたわけではなく、そのため性能面に問題が発生して、現在では開発を中止しています。しかし、『シースパイダー』は最初からATTとして開発をスタートしたため、誘導システムや推進システム、さらに形状など、そのすべてが魚雷を迎撃するという目的のために最適化されています。このように最初からATTとして開発されたシステムは、『シースパイダー』が世界初です。さらに、『シースパイダー』は推進装置としてスクリューではなくロケットモーター(固体燃料ロケットエンジン)を採用しています。水深が浅い海域でも運用でき、かつ低価格化を実現しました」

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海上自衛隊の護衛艦「あきづき」(画像:海上自衛隊)。

 海上自衛隊では、現在「あきづき」型護衛艦をはじめとする艦艇に、魚雷を妨害するためのデコイ(おとり)などが装備されていますが、魚雷の誘導性能向上が進めば、こうした装備も効果が薄くなってしまう可能性は捨てきれません。魚雷を直接迎撃するシステムを搭載する必要性は日々、高まっているといえそうです。

【了】

【写真】推進システム部分はヒミツ 「シースパイダー」投下の様子

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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コメント

3件のコメント

  1. それよりも魚雷を艦艇の真下で爆発させ、それによって生じた海面に向かう水流(バブルジェット)によって艦艇を水面から浮かび上がらせ、再び海面に叩き落すほうが、艦艇に大きなダメージを与えることができるのです。

    魚雷の爆発力で空母を持ち上げられると?

    もう少し、お勉強しなさいね。

    • で?その魚雷への対処法は?

  2. いや~~やっと漫画に現実が追いつきましたな。1967年(53年前!)発表の小沢さとる作「青の六号」にて「対魚雷用ロケット:アントロック(アンチトーピードロケットの略)」が出てまいります。

    他にも「潜水艦推進器破壊専用ロケット:スクリューパンチ」もあります。(これらの兵器は敵艦の破壊を目的にしない非殺傷用兵器であり、人工知能によって運用される門番ロボット「ノボ」が発射すると言った、今問題の「人工知能による兵器使用」に対する回答にもなっています。さらには音響によって敵のソナーと聴音器を無力化する音響ECM弾:オトキチなど現実がまだ追いついていない物もあります。

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