悩む戦車 密閉度高いと射撃排煙で乗員酸欠 低いとNBC防護ダメ どうすれば…

戦車は防御力を確保するために開閉できる部分が最低限に抑えられ、空気がこもりやすいものです。砲弾を火薬で飛ばすため、かつては酸欠も大きな問題に。現代にいたるまでのその対策の変遷には、背景となる時代も透けて見えます。

防御力を高めたら乗員が酸欠 換気装置が必要に

 戦車砲は、砲口こそ外に出ていますが、弾の装てんなどは車内で行うため、砲尾や薬室などは乗員室にあります。戦車砲は火薬を燃やしてその燃焼エネルギーで弾を飛ばしているため、火薬が燃えた際に出る煙(燃焼ガス)は薬室などから車内に流れてきます。

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第2次世界大戦後期に使用されたヤークトパンター駆逐戦車。赤丸で囲った煙突上のものが換気扇付きのベンチレーター(2018年6月、柘植優介撮影)。

 射撃回数が少なければそれほど問題にはなりませんが、戦闘でハッチを閉め、弾を多数撃つような状況になると、大量の排煙が車内にこもるようになり、その結果、乗員が酸欠や、場合によっては一酸化炭素中毒を起こすようになりました。

 そこで第2次世界大戦中、欧米の主要戦車にはベンチレーター、いわゆる換気口が設けられるようになりました。ベンチレーターは防御上の弱点とならないよう砲塔上部に設けられ、さらに銃弾や爆風に耐えられるよう、最低限の大きさで装甲カバーに覆われていました。

 しかし、このような構造のため換気能力はそれほど高くなく、大規模な戦車戦などでは排煙処理が追い付かない状況が発生するようになりました。それでも第2次世界大戦中および大戦直後の、いわゆる戦後第1世代戦車と呼ばれるものまではベンチレーターが多用されました。

【写真】主砲換装してベンチレーターと排煙機の両方を備えた中国の59式戦車

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