なぜ「ジープ」は4WDの代名詞に? WW2期にアメリカで誕生 背景にあったドイツ車の影響
細かすぎる要求も1年ほどで量産へ
このとき、アメリカの同車両への性能要求は、車両重量、ホイールベース、トレッド幅、武装はもちろん、戦場で可能な修理方法まで厳しく決まりが設けられており、よくミリタリー好きのあいだで話題となる、日本海軍の性能要求も顔負けの細かいものでした。
アメリカ陸軍 小型偵察車開発委員会は、この要求などを記載した開発要請書と入札規則書を自動車メーカー135社に送付したそうですが、あまりに困難な要求性能だったため、GM(ゼネラルモーターズ)やクライスラーといった自動車メーカーのビッグネームすら断念。応じたのは、アメリカン・バンタム、ウィリス・オーバーランド、そしてフォードのわずか3社のみだったそうです。
この3社のなかで、実際にプロトタイプを提供したのはアメリカン・バンタムのみで、1か月半で試作車を仕上げるという離れ業をやってみせたそうです。しかし、要求した項目を全てクリアすることはできず、その後、アメリカ陸軍が開発に手をあげたほかの2社に協力を要請。3社それぞれのプロトタイプの長所を取り入れることで、1年後の1941(昭和16)年7月に量産化へこぎつけたのが、初代モデルとなる「ウィリス ジープ」です。
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