なぜ「ジープ」は4WDの代名詞に? WW2期にアメリカで誕生 背景にあったドイツ車の影響
「ジープ」は、第2次世界大戦中にアメリカで開発された軍用車が源流です。大戦のアメリカ勝利に大いに貢献した「兵器」として称賛されていますが、もともとは、わずか1年で量産にこぎつけた急造品だったそうです。
第2次世界大戦 アメリカの勝因のひとつ
「ジープ」といえば、21世紀現在ではオフロード向け四輪駆動車(以下4WD)の代表的な車種として扱われることも多いクルマです。それどころか、あまりクルマに詳しくない向きには4WDそのものを指す名詞だと思われているかもしれません。
この「ジープ」は第2次世界大戦中にアメリカで誕生しました。そこからどのような経緯で4WDの草分け的な存在になったのでしょうか。
まず戦中のジープの評価を示すものとして、当時は欧州方面の連合軍総司令官を務め、戦後にアメリカ大統領となったドワイト・D・アイゼンハワーが、大戦の勝利に貢献した兵器のひとつとしてこのジープを挙げています。また、東西冷戦初期の「マーシャルプラン」で有名な、アメリカ陸軍参謀総長のジョージ・マーシャルも、大戦で勝利を与えてくれた兵器として、戦車や戦闘機などではなく、真っ先にジープへ賞賛の言葉を送っています。
しかし誕生初期のジープは、意外なことに急造品といえるものでした。
戦場において、偵察、連絡や人員輸送など幅広い任務をこなす車両として、オフロードを走ることのできる小型車に注目したのは、アメリカ陸軍だけではありませんでした。この分野に関して、アメリカは後発といっていいかもしれません。
実はジープ誕生以前に、日本陸軍では、ジープと同じく4WDの「くろがね四起」こと九五式小型乗用車が運用されており、ドイツ軍でも4WDではないももの、キューベルワーゲンという小型の軍用車がありました。
ジープは特に、大戦初期のドイツによる欧州西方での電撃戦に強い影響を受けており、1940(昭和15)年6月、キューベルワーゲンのような任務を果たせる車両として急遽、開発が検討されました。
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