なぜ「ジープ」は4WDの代名詞に? WW2期にアメリカで誕生 背景にあったドイツ車の影響
膨大な生産数を背景に数多くの国へ
さて、4WDといえば前記した九五式小型乗用車や、ドイツもTyp87という車両を運用していましたが、なぜジープが4WDの草分け的存在になったかといえば、なんといってもその生産数でしょう。1945(昭和20)年の戦争終結までに、ウィリス・オーバーランドで約36万台、フォードでジープと同じ仕様の「フォード・GPW」が約27万台生産されたといわれています。ちなみに日本の九五式小型乗用車は、総生産台数5千台にも届かないそうです。
ジープはその膨大な数により、アメリカ軍将兵だけではなく、連合軍の各国にも提供され、欧州のみならず、北アフリカの砂漠、ロシアの積雪地帯や泥濘地帯でも使用され、その高い走行性能を発揮したのでした。また、戦後には各国でライセンス生産されると共に、民間用にも「シビリアン・ジープ」として生産され、その知名度を不動のものとしました。
現在でもジープ(Jeep)は、フィアット・クライスラー・オートモービルズ傘下4WD車ブランドとして名前が残っていますが、この「ジープ」という名前、実は語源が定かではないそうです。
有名な説では、General Purpose(多目的、万能)の略称「GP」からきているというものと、『ポパイ』に登場した「ユージン・ザ・ジープ」というキャラクター名が語源というものがあるそうです。
【了】
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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