「大都市圏の貨物線」5線 特急が走り旅客列車でにぎわう路線 一般の路線図にない路線

LRT構想ある新金線や越中島支線 梅田貨物線は関空特急「はるか」のルート

新金貨物線

 新金貨物線は、JR総武本線の小岩駅(東京都江戸川区)と常磐線の金町駅(同・葛飾区)を結ぶ単線の路線です。都心を経由せずに常磐線と総武本線を往来できるため、房総方面から隅田川貨物駅(同・荒川区)などに向かう貨物列車を中心に、比較的頻繁に貨物列車が運行されています。

 新金貨物線は以前から、葛飾区を南北に結ぶ路線として旅客化の要望があります。なお団体臨時列車として、過去に旅客列車が運行された実績はあります。LRT(次世代型路面電車システム)での開業も視野に、旅客化について検討中です。

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新金線を走る貨物列車(2019年6月、草町義和撮影)。

越中島支線

 首都圏の貨物線のうち、運行本数が少ないのが越中島支線です。この路線はJR総武本線の小岩駅から越中島貨物駅(東京都江東区)までを結ぶ路線ですが、越中島にある施設からレールを輸送する貨物列車が1日3往復設定されているのみです。

 なお越中島支線も、LRTによる旅客化が要望されています。

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亀戸駅のホームから見る越中島支線のレール輸送列車。1日3往復が設定されているが運休することも多い(2016年4月、児山 計撮影)。

梅田貨物線

 大阪にも、旅客列車が活用する貨物線があります。そのひとつが吹田貨物ターミナル駅(大阪府吹田市・摂津市)と西九条駅(大阪市此花区)を結ぶ梅田貨物線。一部に単線区間がありながらも「はるか」「くろしお」といった特急列車が頻繁に走る路線です。

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関空特急「はるか」がポイントを渡り梅田貨物線に入る。大阪南部と新大阪駅を結ぶ重要路線として活用されている(2016年11月、児山 計撮影)。

 梅田貨物線は、貨物ターミナルである安治川口駅(同)とJR東海道本線を結ぶために建設されました。その後、新幹線が停車する新大阪駅にアクセスする路線として脚光を浴び、1989(平成元)年に定期の旅客列車が設定されました。

【了】

【地図】貨物5線のルート

Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

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3件のコメント

  1. 梅田貨物線の欄、特急がガンガン走る路線なのに扱い雑やな……。
    ちなみに関空特急「はるか」は京都駅(正確に言うと京都貨物駅)から向日町駅の間も貨物線を走ります。

  2. 地図がついているので、分かりやすい。
    新金貨物線のところで、上野ー東京間が黒太線でないのは、東京駅では総武地下線とは別だから?

    • 総武本線と常磐線を結ぶってことでそれらの線を太線にしたんでしょ。
      常磐線の起点は日暮里だけど、上野始発という一般的な認識に配慮したのでは。
      新金貨物線と越中島支線は通称で、正式にはどちらも「総武本線」なんですがね。