自衛隊 新型肺炎が日本で広がった場合 どこまでできるのか? 中国では事実上の街封鎖

映画などフィクションにおいては、危険な病原菌が蔓延した街を軍が封鎖し、出ていこうとする住民に対して発砲する、といった描写が見られます。実際、そうした病原菌が蔓延したとして、自衛隊は何をどこまでできるのでしょうか。

映画や漫画でよく見る自衛隊の出動 実際のところは?

 ウイルスなどが自然発生した場合に自衛隊が出動するための法的根拠としては、自衛隊法第83条の災害派遣が考えられます。

「災害派遣」とは、地震や豪雨といった自然災害、さらに航空機の墜落や船舶の遭難といった人為的災害が発生したときに、基本的には都道府県知事などからの要請に基づいて自衛隊の部隊を派遣することです。

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2014年4月、熊本において発生した鳥インフルエンザで、鶏舎内の消毒活動にあたる様子(画像:防衛省統合幕僚監部)。

 この災害派遣は、あくまでも自治体だけでは対処できないというやむを得ない場合に行われるものなので、自衛隊の部隊を派遣するためには「差し迫った必要性があること(緊急性原則)」「それ以外にほかに適切な手段がないこと(非代替性原則)」「人命や財産を社会的に保護する必要性があること(公共性原則)」という、3つの原則を満たす必要があります。

 しかし、災害派遣でいう「災害」に、今回の新型コロナウイルスや、それが原因となる感染症までもが果たして当てはまるのでしょうか。たとえば、防災の基本事項について定めた「災害対策基本法」における「災害」には、こうしたウイルスの蔓延などは含まれていません。

 他方、ウイルスに関連する災害派遣については、たとえば豚コレラや鳥インフルエンザが発生した地域での家畜の殺処分や防疫活動の実施といった実例があることを踏まえれば、災害派遣における「災害」とは、こうしたウイルスや感染症も含めて、一部例外を除き広く国民やその財産に被害を与えるものと解することができるでしょう。

【写真】街中ではあまり見たくない陸自の「除染装置」

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