ロボット戦闘車 本当に実現するのか? 電気犬 ゴリアテ ウラン9…続く試行錯誤の歴史

軍民問わず無人航空機が空を飛び交う昨今ですが、比べて地上を走り回るような無人兵器の話はあまり聞きません。発想は第1次世界大戦前からあり、各国において研究開発されてきたロボット戦闘車の、紆余曲折の歴史を追います。

ロボット戦闘車 100年経っても試行錯誤中

 とはいえ、ロボット戦闘車の実現の目がついえたわけではありません。アメリカでは陸軍の、次世代の戦車や歩兵戦闘車を開発するプロジェクトにおいて、次世代戦闘車(NGCV)のいちアイテムとしてRCV(ロボット・コンバット・ビーグル)が開発されています。

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アメリカ陸軍が公表しているロボット戦闘車の3つのカテゴリー。いずれもイメージ図しかない(画像:アメリカ陸軍資料を月刊PANZER編集部で加工)。

 RCVは、小型偵察用の軽量型(RCV-L)、120mm砲まで装備した戦車の代わりもできるような重量型(RCV-H)、その中間の中量型(RCV-M)の3タイプが想定されています。M2ブラッドレー歩兵戦闘車と交代するために開発中の、任意人員配置戦闘車(OMFV)とペアを組むことが前提で、RCV単独で任務に就くようなことは考えられていません。

 軽量型は軽武装の偵察用で10t未満ですが、重量型は重さ20tで戦車並みの120mm砲を搭載するとうたわれており、ほとんどロボット戦車です。作戦内容にあわせこの3タイプを組み合わせ、柔軟性を持たせることにしています。

 RCVはまだ試作車も姿を表していませんが、基礎となる遠隔操縦技術のソフトウェア研究は、既存の装甲車を改造してトライアルが進行中です。まずソフトウェアの完成が優先で、ハードウェア製作はソフトウェアの目途が着いてから取り掛かろうということのようです。

 ロボット戦闘車を語る上で忘れてはならないのが、誰が「引き金」を引く判断をするのかという事でしょう。

 AI(人工知能)がどんなに進歩しても、ロボットに引き金を引かせてはならないという見解は、各国一致しているようです。AIによって、対戦車ロケット弾を抱えたゲリラと荷物を運んでいるだけの民間人とを見分け、脅威度を判定することは可能になってきていますが、武器使用判断は単なる技術論ではなく倫理的な問題でもあります。

 アメリカのRCVは2020年、既存装甲車にRCVのソフトウェアを組み込んだテストベッドが、武器使用をともなうトライアルに臨みます。RCVを採用するか見極めるのは2023年の予定ですが、それまでに完成の域に達するのかは分かりません。

 ロボットにとってはやはり、空よりも地上の方がはるかに厳しい環境のようです。

【了】

【画像】アメリカの発明家が夢見た「電気犬」

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

1件のコメント

  1. 電気犬と言うより電気牛だわ

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