悲劇の運命 アメリカ海軍の「空飛ぶ円盤」XF5U なんと初飛行前にスクラップ

「空飛ぶ円盤」は、なにもSFや超常現象の世界に限った話ではありません。航空工学において「円盤翼」は、世界中で研究されてきました。そのようななか、アメリカ海軍は第2次世界大戦において、戦闘機として用いようとしました。

アメリカ海軍の高い要求と戦時中の開発が仇に

 ただし、テスト機であるV-173が高性能を出したことで、アメリカ海軍は要求のハードルを上げました。艦載機として必要な低速安定性と、戦闘機として重要な高速性の両方を兼ね備えるように求めたのです。本来ならこの2つの性能は相反するものです。

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XF5U-1戦闘機の実物大木製模型、いわゆるモックアップ。模型のため各部の形状は実機と異なる(画像:アメリカ海軍)。

 一説では、アメリカ海軍は円盤翼機を戦艦や巡洋艦にも載せようと考えていたといいますが、それだけ離陸性能が高かった証左ともいえるでしょう。

 一方で第2次世界大戦期の当時、ヴォートはF4U「コルセア」艦上戦闘機の開発と生産で手一杯になっており、新型機の開発に人出を回す余裕がなくなっていました。1944(昭和19)年7月に、アメリカ海軍は「XF5U-1」の名称で試作機2機の製作を正式にヴォートへ依頼しますが、前述したような理由から開発は難航し、実機の完成は第2次世界大戦終結後の1945(昭和20)年8月20日になりました。

 しかも、この時点でプロペラはまだ開発中で、暫定でF4Uの3枚プロペラを付けていたものの、プロペラが完成するまで初飛行はせず、地上試験のみとされます。

 一方で、第2次世界大戦後半にはより高性能なジェット機が登場したため、終戦後、アメリカ海軍における新型機の開発はジェット機がメインになり、プロペラ機であるXF5Uの優先度は著しく下がりました。

【写真】円盤翼テスト機 V-173の空飛ぶ姿

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コメント

1件のコメント

  1.  試作機に3枚プロペラを装着・・・という記述は誤りです。

     4枚プロペラを装着しています。

     3ページ目の写真を見れば明らかです。

     2ページ目の3枚プロペラを装着しているのはモックアップです。

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