軍用機 鼻の「ノーズアート」なぜ見られなくなった? ピンナップガール アニメキャラ

かつて軍用機の機体をさまざまなイラストが彩っていた時代がありました。「ノーズアート」と呼ばれ、士気向上につながると軍の上層部も黙認していたといいます。アメリカ軍で花開いた、その歴史を辿ります。

WW2後はノーズアート全盛へ…一方日本は?

 第2次世界大戦中から戦後、そして特にベトナム戦争の激化期にかけ、ノーズアートの文化はさらに花開き、さまざまな絵が描かれるようになっていきました。セクシーなピンナップガールのほか、機首をサメの口に見立てて口や牙などを書き込む「シャークティース」、当時人気のあった漫画やアニメのキャラクター、死神やどくろなど死を連想させるもの、敵国への差別を含んだ内容のイラストなど、第2次世界大戦時から描かれてきたモチーフもさらに過激に、差別的に描かれるようになっていきました。

 やがて1980年代、セクハラなど世間の目が変化してきたことにより、ピンナップガールのような女性のイラストは描かれなくなっていきました。一方、キャラクターやどくろ、死神といった過激なモチーフや派手なカラーリングはより一層エスカレートしていきます。

 1990(平成2)年以降、F-14の引退からF/A-18Fの導入時にかけて、それはピークを迎えたといいます。機体の一部に絵を描くだけだったイラストは、機体全体のカラーリングへと発展し、あまりの過熱ぶりにアメリカ軍は、機体へのカラーリングに規制を設けるほどだったといいます。

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アメリカ軍機のノーズアートにはアニメ調のキャラクターも見られた。写真は朝鮮戦争期(1950年から1953年まで)に撮影されたもの(画像:国立アメリカ空軍博物館)。

 少し時を戻して、日本の戦闘機や爆撃機のノーズアートについて見てみましょう。

 第2次世界大戦時、派手な女性の描かれたアメリカ軍軍用機を目にした日本軍は「アメリカ軍はやる気がない」「ふざけている。これなら勝てるはずだ」と、憤りを感じたようですが、そのような日本にもノーズアートは存在しました。

 多く描かれたモチーフは、稲妻や矢印、数字を図案化したものなどが中心でしたが、なかにはツバメや折り鶴、富士山など風流なイラストが描かれた機体もあったようです。機体への愛着と士気高揚を目的とした意図は同じでありながら、描かれた図案はアメリカとはまったく違う日本。その奥ゆかしさには驚くばかりです。

【写真】セクシーな女性のみならず アメリカ軍機のノーズアートいろいろ

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