「零戦」の誕生に貢献した外国技術5選 外観に影響を与えたもの 強さの源になったもの

国産戦闘機として、日中戦争から太平洋戦争前半には各戦線で高性能を見せた零戦ですが、その性能が発揮できた裏には、国産技術ではモノにできなかった、外国技術に由来する装備が多数あったからでした。

零戦の照準器やプロペラも外国製がベース

 機銃の命中精度を高めるための照準器も、飛行速度を左右するプロペラも外国技術が由来のものでした。

九八式射爆照準器

 零戦が搭載した照準器で主力だったのは、ドイツのユンカース製レヴィ2b照準器をコピーした「九八式射爆照準器」です。これは「光像式」と呼ばれるタイプで、斜めに立てられた透明な板に、円と十字線で区切られた照準環を投影し、目標と重ね合わせて照準するものです。

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陸上自衛隊の武器学校が復元した九八式射爆照準器。斜めに取り付けられた透明板に照準環を投影する構造で、左下側の写真のように映し出される(柘植優介撮影)。

 それまでの日本製戦闘機が装備していた照準器は「鏡筒式」と呼ばれる、いうなればライフルスコープのような構造のもので、風防(キャノピー)の前に固定されており、操縦士は片目で覗いて狙いを定めます。

 零戦のものは、透明板に映し出された照準環と前方の目標が重なることで照準するため、覗き込む必要がありません。また目標サイズに合わせて照準環の大きさを調整できました。そのほかにも照準環は投影により発光するため、周囲が暗くても見やすいというメリットもあります。

 太平洋戦争末期には新型の三式および四式射爆照準器が登場しますが、これらもドイツの新型照準器の技術が基になっていました。

可変ピッチプロペラ

 零戦は、旧日本海軍の戦闘機として初めて可変ピッチプロペラを搭載しました。

 可変ピッチプロペラとは、簡単にいえば、エンジンの回転数を一定に保つための機構です。離陸時には大きな推進力が必要でエンジンに負荷がかかりますが、そのままの調子で空の上で巡航に移ると、負荷が少なくなったぶん、エンジンは過回転になってしまいます。

 そこで、プロペラの角度(ピッチ)を変えてエンジンにかかる負荷を調整し、そうすることでエンジンの出力を効率よく使おうとするのが、この可変ピッチプロペラというわけです。これにより、固定ピッチのものと比べ、上昇時間、距離いずれも短くなり、エンジンの整備性が向上し寿命も伸びるというメリットがありました。

 零戦のものは、アメリカのハミルトン製可変ピッチプロペラを、住友金属がライセンス生産する形で搭載していました。しかし構造的には1930年代のもので、戦争中も改良することができず、1945(昭和20)年の終戦まで基本的に同じものを使い続けました。

【写真】零戦の開発に大きな影響を与えたアメリカ製V-143戦闘機

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