アメリカ海兵隊 戦車全廃か M1戦車大隊廃止 変わる戦い方 自衛隊・日本への影響は?

お金がないわけじゃないアメリカ海兵隊…削減してなにをしたいのか?

 今回のアメリカ海兵隊の大胆な再編計画は、アメリカの軍事的優位性が相対的に低下しているという現状を踏まえて、2018年に策定された国防戦略で大きな脅威と位置づけられた中国とロシア、とりわけ中国と西太平洋で対抗していくために最適な戦力構成とすることを目的としたものです。戦車の全廃や部隊の削減などで浮いた費用を投じて、長射程精密誘導兵器と無人システムの導入の加速、高度な偵察能力の獲得などを進めていく方針が示されています。

 具体的に、再編後の海兵隊がどのように西太平洋で中国と対抗していくかは、現在、沖縄に配備されている第3海兵遠征軍の再編計画によって、ある程度明らかになっています。

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アメリカ海兵隊が導入する「NSM」対艦ミサイル(竹内 修撮影)。

 第3海兵遠征軍の基幹となる第3海兵師団は、ほかの海兵師団に比べて歩兵連隊が1個少なく、また戦車大隊も配属されていません。今後は人数をさらに削減して機動性を高め、対艦巡航ミサイルである「NSM(Naval Strike Missile)」や地上発射型「トマホーク」巡航ミサイルなどを装備する、3個の「海兵沿岸連隊」を基幹とする部隊へと生まれ変わります。

 海兵沿岸連隊は有事の際、西太平洋上の島しょ部へ迅速に展開し、装備する対艦ミサイルや地対空ミサイルなどによって、中国軍の艦艇や航空機の西太平洋への進出を阻止することを目的としており、島しょなどが占領された際に奪還するための逆上陸作戦を想定していたこれまでの海兵隊の部隊とは、かなり性質の異なる部隊となることが予想されています。

【写真】夜間訓練に臨むアメリカ海兵隊のM1A1「エイブラムス」戦車

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