1門火力は戦艦以上「列車砲」とは パリ砲、グスタフ…巨砲は戦後なぜ急に姿を消した?

鉄道の発展と共に、その有効性を期待されたた列車砲。第1次世界大戦では有効な場面も多く、一度火を噴けばその威力はケタ違いでしたが、第2次世界大戦後はすっかり姿を消しました。どのような兵器だったのでしょうか。

究極の列車砲「グスタフ」ついに火を噴くも…その後なぜ急速に廃れたのか

 それでも、「グスタフ」の方は、1941(昭和16)年9月から始まったセヴァストポリの戦いにおいて、クリミア半島南西部に位置するセヴァストポリ要塞の攻撃に使用されます。砲撃では計48発の砲弾を発射したとされており、1942(昭和17)年6月17日の砲撃では、同要塞の守りの要になっていたマキシム・ゴーリキー砲台に命中弾を与えています。また、10m以上のコンクリートに防護された弾薬庫も破壊するなど、その凄まじい威力を証明しました。

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ドイツの80cm列車砲「グスタフ」。手前はナチス幹部で、右からふたり目がヒトラー(Walter Frentz撮影)。

 しかしまともにその能力を発揮できた場は、このセヴァストポリ要塞砲撃だけでした。戦況の悪化により、制空権や移動手段が確保できなかったこともありますが、その巨体さゆえ発射のために約1500人の人員が必要だったこと、1時間に3、4発程度しか発射するこのできなかった点なども運用を困難にさせた理由です。同じ労力ならば、爆撃機や通常の火砲の方がいいという訳です。あまりにコストに見合わない兵器ということで、戦後は俗に「ロマン兵器」と呼ばれることもあります。

 そうした制空権の問題、コスト面、また弾道ミサイルの実用化で長距離火砲の必要性が低下したといった理由から、「グスタフ」や「ドーラ」のような巨大砲のみならず列車砲そのものは第2次大戦以降、急速に廃れていきました。

 ちなみに、米ソ冷戦でミサイル時代に突入すると、1980年代にソビエト連邦で大陸間弾道ミサイル発射装置を備えた列車が開発され、列車砲にかわるものとして運用されていましたが、米露間で締結された核軍縮に関するモスクワ条約により、2005(平成17)年までに全廃しています。

【了】

【写真】列車砲といえば「パリ砲」 その砲弾は成層圏へ

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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