東京の民間バス終点5選 農園はない「都民農園セコニック」 スポーツ施設がターミナル

バスが着いてもすぐには降りられない終点とは?

「バスが着いてもすぐには降りられない」という終点もあります。

【関東バス】南善福寺(東京都練馬区)

●発着するバス
・荻36:荻窪駅~井草八幡宮~東京女子大北~南善福寺

 荻窪駅の北西、住宅街のなかにある終点で、車両の向きを変えるためのターンテーブルが地面に埋め込まれた折返所があります。なお「善福寺」は杉並区の地名ですが、バス停自体はそこから道路を挟んだ練馬区に位置しています。

 ターンテーブルを備えた折返所は珍しくありませんが、ここは、その運用が特徴的です。多くの場合、ターンテーブルは回送のバスが使うところ、ここへ到着したバスは、「客を乗せたまま」180度転回し、そのあとで乗降が行われます。バスが終点に到着しても、ターンテーブルでの転回が終わるまでは降りられないわけですが、狭い敷地内で客を降ろしてから転回するよりも、このほうが安全なのだそうです。

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南善福寺のターンテーブルで回転する関東バス(2020年3月、中島洋平撮影)。

【東急バス】砧本村(東京都世田谷区)

●発着するバス
・玉06:二子玉川駅~吉沢~砧本村

「砧本村(きぬたほんむら)」は、東急田園都市線と大井町線が交わる二子玉川駅の北西、多摩川沿いの低地にある東急バスの終点です。バスが数台停まれる広いスペースの一画に、レトロな木製ベンチと上屋からなる待合所がありますが、そこに掲げられた広告類もこれに合わせたかのように古風な点が目につくでしょう。

 ここは、1969(昭和44)年に廃止された東急砧線の終点、砧本村駅があった場所です。かつては渋谷~二子玉川間と二子玉川~砧本村間、そして三軒茶屋~下高井戸間を路面電車タイプの車両が結んでおり、「玉電」と呼ばれていました。これら路線は三軒茶屋~下高井戸間、現在の東急世田谷線を残して廃止され、渋谷~二子玉川間には地下を走る現在の田園都市線ができた一方、二子玉川~砧本村間の砧線はバスに代替されました。上述した砧本村バス停の待合所は、砧線時代のものが転用されています。

【地図・写真】東京の民間バス ちょっと気になる5つの終点

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