「機首が真上なら滑走不要」を実際にやった初の垂直離着陸機コンヴェア「ポゴ」の挑戦

東西冷戦初期、世界中で垂直離着陸が可能な戦闘機の開発が盛んになりました。コンセプト自体は第2次世界大戦中のドイツが発端で、それを参考に実機の開発まで至ったのはアメリカが初めてでした。

揺れる艦上で実戦運用に耐えられるの…?

 コンヴェアとロッキードは1951(昭和26)年3月より実機の開発に取り掛かります。これについてアメリカ海軍のなかでは、前者が本命、後者が補欠と見られていたようです。

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試験中のXFY-1「ポゴ」。垂直離陸を可能にするため、最大出力6500馬力のエンジンを搭載し、プロペラは二重反転式だった(画像:アメリカ海軍)。

 本命と目されていたコンヴェアの試作機には「XFY-1」という機番が振られ、1954(昭和29)年に完成します。前例のない機体構造から試験は慎重に行われ、まず建物内において天井から伸びたワイヤーに吊られた状態で行われました。この繋留式の飛行試験によって4月19日に屋内飛行を成功させたのち、8月1日に野外での通常の初飛行に成功しました。

 初飛行から3か月後の11月2日、ついに水平飛行から姿勢を変えて着陸することにも成功します。このとき試作機は垂直離陸、水平飛行、垂直着陸と複数の姿勢変換を行い、VTOL機としての完全な方向変換を史上初めて成し遂げます。

 ただこれは、ベテランのテストパイロットが操るからこそ可能な飛行であり、飛行場という比較的安全な陸上だから離着陸できたともいえました。外洋の揺れる艦船の甲板上で、経験の少ないパイロットが行えるかというと、話は別です。

 また戦闘機として、日々進化を続けるジェット機と渡り合えるだけの性能を維持できるかという問題もあり、アメリカ海軍は1956(昭和31)年8月、計画の中止を決定しました

 なお、アメリカ海軍が補欠と考えていたロッキード製のXFV-1の方は、水平飛行こそできたものの、垂直離着陸は最後までできなかったため、その点ではコンヴェア製のXFY-1の方が優秀だったといえるでしょう。

 ちなみにXFY-1の愛称である「ポゴ」とは、スプリングで垂直に飛んで遊ぶ、いわゆる「ホッピング」のことで、上下動する様から名付けられました。正式な愛称ではないものの、いまや正式名称のように用いられています。

【了】

【写真】まるで映画のセット 台車に載ったXFY-1「ポゴ」

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

2件のコメント

  1. 60年代の特撮映画に出て来そう

    • どちらというと60年代のSFか

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