「エース専用機」って実在したの? 特別仕様やワンオフ機 伝説のルーデル機は…?

エースパイロット独自のカラーリングで相手を威圧した「フォッカー Dr.I」

「ソッピース トライプレーン」の空戦能力に大きな影響を受けたドイツ軍が、1917年(大正6)に開発した戦闘機が「フォッカー Dr.I」です。見た目は三葉機なのですが、実は独自の改良が加えられています。主脚間に板を渡して4枚目の翼とした、四葉機に近い構造をしているのです。

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マンフレート・フォン・リヒトホーフェン(写真中)とフォッカー Dr.I戦闘機。

 そのため、上昇力と運動性がかなり高く、抜群の空戦性能を発揮しました。しかし操縦に関しては、挙動をコントロールするのが難しく、ベテランのパイロットでないと手に負えないほどでした。創作物によく見られる、ピーキーな機体だけど能力の高いパイロットが使えば無敵の強さを発揮する、というタイプです。

 そのデリケートすぎる構造のため、エース向けに配備されたものが多く、生産数は300機程度に過ぎませんでした。

 同機の搭乗者で一番有名なのは、「レッド・バロン」の愛称で知られるドイツ軍の撃墜王、マンフレート・フォン・リヒトホーヘン男爵でしょう。なぜ愛称に「赤」がつくかというと、彼の乗機が赤く塗装されていたからです。きっと通常機の3倍速かったことでしょう。

 ちなみに、のちにナチス・ドイツで空軍司令官になるヘルマン・ゲーリングも同機に搭乗しており、白くカラーリングされていたそう。実は各エースが愛機にパーソナルカラーを付けるというネタは、この「フォッカー Dr.I」をはじめとした第1次世界大戦中のパイロットにその源流があります。

【画像】トップエース ゲルハルト・バルクホルンのBf109G戦闘機

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コメント

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1件のコメント

  1. ガンダム愛を感じる記事です