大統領のジョークがホントに…米空母が理想郷を意味する「シャングリラ」を冠したワケ

大統領の発言どおり「シャングリラ」が日本を攻撃

 1942(昭和17)年のドーリットル空襲が行われた時点で「シャングリラ」という名の空母は存在しませんでしたが、それから2年後、空母「シャングリラ」は本当に誕生しました。

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1944年2月、空母「シャングリラ」の進水式での様子。シャンパンを艦首にぶつけているのがジョセフィン・ドーリットル夫人(画像:アメリカ海軍)。

 太平洋戦争開戦直前の1940(昭和15)年から、アメリカは次世代型空母としてエセックス級の建造を始めます。同級は太平洋戦争が勃発すると大量発注され、最終的に24隻が就役、その12番目が「シャングリラ」でした。

「シャングリラ」は、1944(昭和19)年2月24日の進水式で命名されます。艦名は前述のルーズベルト大統領の発言が由来とされ、式典にはドーリットル空襲を指揮したジミー・ドーリットル将軍(空襲当時は中佐)の妻であるジョセフィン・ドーリットル夫人が招待されています。

 7か月後の1944(昭和19)年9月15日に就役した「シャングリラ」は、各種訓練ののち日本近海まで移動すると、1945(昭和20)年6月2日から艦載機を用いた日本本土への攻撃を開始します。2年前にルーズベルト大統領が記者団の前で口にした冗談が本当になりました。

【写真】まるで別の艦のよう 空母「シャングリラ」の最終形態

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