空母着艦が「制御された墜落」といわれるワケ わずか2秒で0km/hに 着艦時の衝撃は?

空母に艦載機が着艦するのは、極端に短い滑走距離や強制停止の方法、機体およびパイロットに対する急停止の衝撃などから「制御された墜落」ともいわれ、意外と強引な部分も見られます。

巨大空母の飛行甲板も飛行場としては極小

 空母における飛行機の運用は、一般的に空母から飛び立つ「発艦」よりも、空母に降りる「着艦」の方が難しいといわれます。

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原子力空母「ハリー・S・トルーマン」に着艦するFA-18C「ホーネット」戦闘機。機体尾部に垂れ、火花を散らしているのがアレスティングフック(画像:アメリカ海軍)。

 特にV-22「オスプレイ」や「ハリアー」戦闘機などのようなVTOL(垂直離着陸)機ではない通常の艦載機の場合は、洋上で揺れ動いている空母の飛行甲板にピンポイントで降り、短距離で止まらなければならないため、難易度はVTOL機やヘリコプターとは段違いといえるでしょう。アメリカ海軍の空母を例に、空母側の着艦専用装備について見ていきます。

 アメリカやフランスなどの現用空母は、「アングルドデッキ」と呼ばれる斜め甲板を備えています。これがあることで、空母の飛行甲板では発艦作業中であっても艦載機の着艦収容ができ、発艦と着艦を同時並行で行えるようになっています。

 また着艦に際して、飛行甲板の脇には、艦載機パイロットが正しく着艦コースをとれるように緑と赤、オレンジのライトからなる光学着艦支援装置、通称「OLS」が備わっています。これは艦載機パイロットから見たとき、中央のオレンジ色のライトと左右の緑色のライトが横一列に並んでいれば、着艦コースに正しく進入しているという指標になるものです。

【写真】おっとっと… 片脚で着艦するF-14「トムキャット」

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