実はレア 引退時期が迫る横須賀・総武快速線E217系 どんな車両? 少数生産のワケ

2020年度から順次、E235系への置き換えが始まる横須賀・総武快速線のE217系は、一時、東海道本線を走行した以外は他線への投入がありませんでした。なぜ少数の製造にとどまったのでしょうか。車両の歴史を振り返ります。

汎用性を高めてE231系へ進化 E217系が少数形式である理由

 E231系はE217系の仕様をさらに進化させた車両で、制御装置やモーターなどはさらに世代が進んだデジタル式ものを全面的に採用し、メンテナンス性の向上を図っています。

 また、E217系の製造中に省令が改訂され、トンネルの断面が十分に広く、トンネルと車両のあいだに400mm以上の通路があれば非常扉の設置が義務ではなくなりました。そのため一部のE217系は、外観はそのままに非常扉が廃止され、正面が「開かずの扉」となった車両が存在します。なお、後継のE231系は地下鉄直通用を除いて最初から非常扉を設けないデザインとされ、製造コストが下げられています。

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2007年度から、古くなった機器の更新が行われ、それに合わせて車両の帯と正面のロゴが変化した。右が新デザイン(2008年12月、児山 計撮影)。

 このように、E231系はE217系の完全上位互換ともいえる車両なので、E217系をあえて製造する理由がなくなったという点が、E217系が少数形式にとどまってしまった理由です。

 しかしE217系の設計思想やデザインは、E231系以降の車両にも受け継がれており、またE217系自身も、2008(平成20)年からの制御装置の更新でE231系と同等の制御システムに交換されるなど、システムのアップデートもされています。

 2020年度にはE217系の置き換え用として、E235系が横須賀・総武快速線に順次投入されます。E235系はE231系をさらに進化させ、車内設備もフリースペースの設置や大型洋式トイレの採用、グリーン車へのWi-Fiルーター設置など、現代のニーズに合ったものが提供されます。

 しかし、車両の基本寸法などはE217系が確立したものが受け継がれており、先頭車両のドア配置などからは、E217系の進化系であることをうかがい知れます。

【了】

【写真】レア車両の中でもさらにレア「色違いのE217系」

Writer:

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

2件のコメント

  1. 745両は決して少数派とはいえないとは思いますが。

    • 同感。745両って山手線より、多いですよね。横須賀線・総武快速線でしか乗れないので小派閥だとは思いますが。

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