地下鉄の駅出入口にある謎のくぼみ その目的は? 強化ガラスで完全防備の地下鉄出入口

強化ガラスを使った完全防備タイプの地下鉄駅出入口 その背景とは?

 また近年、東京メトロの駅出入口では、人が通るところを除いて全体的に、ガラスなどで覆われた構造も見られます。

 これも水害に関係しています。止水板や低めの側壁では地下への水流入を防げないほど浸水が想定されている場所では、駅出入口を全体的に強化ガラスで覆うなどし、かつ防水シャッターなどで人の通り道を閉鎖。「完全防水型出入口」にしているのです。

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強化ガラスなどで覆われている完全防水型の二重橋前駅4出入口(2020年3月、恵 知仁撮影)。

 千代田線二重橋前駅(東京都千代田区)の4出入口付近は、ハザードマップによると1m以上の浸水も予想されている場所。そのため止水板に加え、防水シャッターがついた完全防水形出入口にしているそうです。もちろん出入口のガラスは、想定される水圧に耐えうるもの。東京メトロは「水は上で止め、下には入れない」という方針で、対策をしているといいます。

 東京メトロはおよそ1100か所ある駅の出入口や連絡口のうち、大規模水害時に浸水のおそれがある370か所で完全防水形にする、防水扉の設置や出入口のかさ上げを行う、といった対策を進めており、2027年度までに完了の見込みだそうです。

【了】

【写真】実際に地下鉄の駅入り口へ、いろんな「フタ」をしてみた

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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2件のコメント

  1. 東西線の門前仲町・茅場町間の線路上に防水扉があったと記憶するが、(隅田川を渡る地点に限らず)他路線にも存在するのだろうか?

  2. ビルの地下と直接つながる通路もたくさんあります。 おそらくシャッターやビル自体の防水対策だと思いますが、次回の記事にしてもらえたら。 地下鉄自体が浸水の危険が高いのは自明。 線路の地上から地下への出入口に隔壁などの記事もありますから、対策全体の記事を何回かに分けてでも。