日本も参加すべき? 英主導の次期ステルス戦闘機「テンペスト」プロジェクト 動く
日本でF-2戦闘機の後継となる新型戦闘機について具体的な模索が始まりました。一方、新型戦闘機の開発を計画中のイギリスが、日本に共同開発を促すラブコールを送っています。日本とイギリスが手を組むメリットはあるのでしょうか。
もはや戦闘機もトータルシステムとして開発するもの
2020年7月22日、イギリス、イタリア、スウェーデンの3か国が「FCAS(将来航空戦闘システム)」の開発にあたって、各国間の産業協力を強化していくための協議を開始したと発表しました。
「FCAS」とは、まだ日本でなじみのない言葉だと思いますが、ヨーロッパではすでに将来の戦闘機は戦闘機単体で機能するのではなく、連携する味方戦闘機やUAV(無人航空機)、地上の指揮管制システムなどと接続するネットワークまで一体化して開発する必要があると考えられています。
そのためイギリスが構想する、ユーロファイター「タイフーン」の後継になる次世代戦闘機も、フランス、ドイツ、スペインの3か国が共同開発する「タイフーン」とダッソー「ラファール」の後継になる計画機も、ともにFCASと呼ばれています。
イギリスが構想するFCASは、新戦闘機「テンペスト」を中核としたシステムで、2018年7月に開催された「ファンボロー国際航空ショー」においてその構想が発表され、同時にコンセプトモデルもお披露目されました。
「テンペスト」は、敵に発見されにくいステルス性能を重視している点や、UAVの連携を前提としている点などは、フランス、ドイツ、スペインのFCASと共通していますが、ステルス性能を損ねずにミサイルなどの兵装搭載量を増やすコンフォーマル・ウェポンベイ(兵器倉)を装着するなど、将来の拡張性を重視している点が特徴です。
また敵味方の位置情報などを、パイロットが状況を認識しやすい3次元映像で表示する装置を設置するなど、従来の戦闘機とは一線を画するコックピットも構想されています。
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