双胴の悪魔が日本じゃ「ペロはち」呼ばわり? 超有名人も愛用の米「ライトニング」戦闘機

山本五十六を撃ち取った「ライトニング」

 しかし、アメリカ軍が日本軍戦闘機の特性を調査し対策を講じていくなかで、P-38も高速性を生かした一撃離脱戦法などをメインにするようになった結果、日本軍戦闘機を圧倒するようになっていきます。

 一方、ヨーロッパ方面では、ドイツ軍やイタリア軍の戦闘機が日本軍機ほど旋回性能(格闘性能)を重視していなかったことから当初から優位性を示し、中低高度の格闘戦に持ち込まれない限り強敵であったことから、ドイツ軍からは「双胴の悪魔」と呼ばれたのです。

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1944年夏、南太平洋の飛行場でP-38の燃費改善方法を伝える飛行服姿のチャールズ・リンドバーグ(画像:アメリカ空軍)。

 またP-38は航続距離も長かったことから、太平洋と大西洋の両戦域で大型爆撃機の護衛機としても用いられました。

 この足の長さを生かして大戦果を上げたのが、1943(昭和18)年4月18日の山本五十六海軍大将乗機の撃墜です。当時、旧日本海軍の連合艦隊司令長官であった山本大将が乗る一式陸上攻撃機をブーゲンビル島上空で待ち伏せし撃ち取ったもので、計画を立案したアメリカ海軍のニミッツ大将に対し、同じく海軍のハルゼー大将はアメリカ陸軍のP-38ならば航続距離ならびに滞空時間が長いから実施可能と回答しています。

 ちなみに、大西洋単独無着陸横断に成功したことで有名なチャールズ・リンドバーグもP-38を駆った有名人のひとりです。彼は民間人技術者として南太平洋の島々などを巡回し、P-38の航続距離の延ばし方などを現役パイロットに伝授しています。

 そのなかで何度か日本軍機とも交戦しており、赤道至近のインドネシア・セラム島上空では、旧日本陸軍の九九式襲撃機1機の撃墜も記録しました。

 なお2020年現在、航空自衛隊もロッキード・マーティン製ステルス戦闘機F-35「ライトニングII」を調達していますが、同機の愛称になぜ「II」と付くかというと、P-38「ライトニング」が存在するからです。逆にいうとP-38は、ロッキードの軍用機の礎を築いた機体として、アメリカにおいて偉大な存在なのかもしれません。

【了】

【写真】操縦桿ではなくハンドルで操作するP-38のコクピット

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

2件のコメント

  1. ペロハチと言われたP38を乗機としたボングとマクガイアが、アメリカのNo.1及びNo.2のエースパイロットになった。しかも彼らの戦場が太平洋戦線だったのは、皮肉ですね。

    どの国もなし得なかった対戦闘機戦をこなせた双発戦闘機を開発したロッキード社は、凄いと思います。

  2. 作戦計画を持ち込まれたとき(手勢では難しいけど)陸さんなら航続距離に優れた飛行機持ってるからやれるでしょう、と手柄をライバルに譲るような提案を出来る海軍大将、結構すごい人物だったんだなハルゼー氏。