路上作業員の守護神「ハイウェイ・トランスフォーマー」登場! 車体伸び全長23m

「工事規制エリアへ突っ込む事故」増えているワケ

 前出のとおり高速道路では、日常的な補修工事や事故後の処理などで、車線規制をともなう作業が発生します。その規制エリアは一般的にカラーコーンなどで仕切られますが、そこへ誤ってクルマが進入する事故が毎年起きており、しかも2016年度46件、2017年度103件、2018年度には149件と年を追うごとに増加している現状がありました。事故によっては、作業員が死亡するケースも発生していることから、路上作業員の安全確保が重要な課題になっていたそうです。

 じつはこの「移動式防護柵」、アメリカでは広く使われている方法とのこと。しかしアメリカの車両はサイズなどが日本の法令に適合しないことから、メンテ名古屋は「特殊車両の通行許可がなくても走れる」というオリジナル車両を開発しました。費用は1台およそ5500万円。2019年にプレスリリースでいったん開発を発表したものの、さらなる改良を加えたため、追加で1000万円以上かかってしまったのだとか。

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路上作業員の作業スペース。なおビームは左右に移動でき、追越車線側の工事にも対応可能(2020年8月26日、中島洋平撮影)。

 すでに「ハイウェイ・トランスフォーマー」は三重県内の高速道路で稼働しています。車両が現地に到着してから作業スペースを確保するまでの所要時間は10分ほどであり、作業終了後も約10分で撤収可能とのこと。効率としては従来よりも多少劣るものの、安全性は高まったといいます。メンテ名古屋は今後さらに車両を増備し、他所でも展開していく構えです。

 ちなみに、工事規制エリアへクルマが突っ込む事例が増えていることについて、NEXCO中日本は、明確な理由は不明としつつも、リニューアル工事などで工事規制の件数自体が増えているのも要因ではないかといいます。

 近年、高速道路では老朽化対策が急ピッチで進められていることからも、今後、路上作業員の安全確保はますます重要になっていくかもしれません。

【了】

【写真でたっぷり】車体が伸びる「トランスフォーム」一部始終

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コメント

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1件のコメント

  1. 三重ナンバー。川越っぽいな。
    ここに行けば見られるかな?