バス業界 今度こそ再起なるか Go Toトラベル「東京追加」でどう変わる?
新型コロナウイルスの影響で落ち込んだバス需要、その再起への期待がかかっていた「Go Toトラベル」キャンペーンも、「東京除外」の終了でいよいよ本格化します。この間、事業者や自治体も試行錯誤を重ね、状況は変化しています。
当面は個人旅行が主流か
そのひとつが高知県です。「Go Toトラベル」を使えば宿泊が35%引きで予約できるのに加え、往復の交通費の一部、ひとり当たり最大5000円を県が助成する「高知観光リカバリーキャンペーン」を実施しています。クルマ旅行なら1台当たりで5000円(高速道路料金やレンタカー代などが対象)ですから、公共交通を利用した方がお得という設定も秀逸です。
個人で申請しキャッシュバックを受けることができるほか、旅行会社があらかじめ割引額を織り込んで「高速バス+宿泊」のセット商品を作ることができます。琴平バスの名古屋発や、神姫バスらの神戸発の高速バスと、高知県内の宿泊をセットにしたコースを、ホワイト・ベアーファミリーが設定しています。
なお、このような「Go Toトラベル」対象の「高速バス+宿」商品は、筆者(成定竜一・高速バスマーケティング研究所代表)が監修する「高速バスで行く!Go Toトラベル」特設サイトでリスト化して紹介しています。
新型コロナウイルスの感染拡大は、我が国の観光産業に大きな痛手を与えました。ただ、多くの観光地や宿泊施設が、団体旅行に依存する「昭和の旅行」モデルから抜け出せず、消費者に飽きられかけていたことも確かです。この危機を逆手にとり、ひとりひとりの興味関心に基づく自由な個人旅行を楽しんでもらえるよう変革が進むか、業界の力が問われているともいえるでしょう。
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