「並行在来線準備会社」は何を準備しているのか? 北陸新幹線敦賀延伸に向けて進む計画
2021年夏ごろには新社名や制服などが決定
一方、本社部門としては2020年6月にJRから出向の社員を迎え入れ、新たに運輸計画課を立ち上げました。運輸計画課では、国土交通省に提出する「鉄道事業許可申請書」や安全・安定した運行を確保するための規則の作成など、書類面の業務を行っています。
さて、福井県並行在来線準備株式会社はこれから開業に向けてどのように動いていくのでしょうか。具体的な動きを決めるのは、県や沿線自治体、利用者団体などで構成される並行在来線対策協議会で作成されている「福井県並行在来線経営計画」です。経営計画には会社の運営にあたっての基本方針などが盛り込まれます。2021年の1、2月ごろに策定される予定で、以降はこれに沿って会社は準備を進めていくそうです。
どういった社名になるのかも気になりますね。現在は「福井県並行在来線準備株式会社」と非常に長い名称ですが、公募などの手続を経て、2021年の夏ごろには「○○鉄道」「○○電鉄」といった名称に変更される見通しです。社名が決定したのちは、ロゴや制服、車両のデザインなど、「見える部分」についても順次定まっていくこととなります。
話を伺った小澤さんは、会社設立時の社員の一人ですが、元々は福井県の職員です。公務員が民間の株式会社に出向できる年限は決まってることから、開業時に社員として立ち会うことはできないそうですが、「県の職員として県民の暮らしと経済を支えていきたいです」と語ってくれました。
【了】
Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)
1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。
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