陸自オスプレイ「護衛」に課題 戦闘機も攻撃ヘリも力不足? 米海兵隊はどうしたか

「オスプレイ」の護衛どうする? 米海兵隊が考えたやり方とは

 とはいえ、アメリカ海兵隊は1996(平成8)年頃、もしくはそれ以前から次世代機による空中強襲作戦で護衛が付けられなくなるのではないかと不安を抱くようになりました。というのも、ヘリコプターよりもスピードが出るティルトローター機、すなわちV-22「オスプレイ」の導入を進めていたからです。

 ヘリコプターの護衛にはヘリコプターを付けて解決となったものの、ティルトローター機ではそのようにはいきません。なぜなら軍用として配備されているティルトローター機は「オスプレイ」しかないからです。2020年現在、ティルトロータータイプの戦闘機など存在しません。そこでアメリカ海兵隊は、試行錯誤の段階ではあるものの、戦術(ソフト)および装備(ハード)の両面から解決方法を見出そうとしています。

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千葉県にある木更津駐屯地に配備された陸上自衛隊の「オスプレイ」(画像:陸上自衛隊)。

 まず戦術でカバーする方法としては、飛行中は飛行機でエアカバーの回廊を作り、着陸地点にはAH-1Z攻撃ヘリを先回りさせ護衛を行わせようというものです。

「オスプレイ」はヘリコプターよりも速いスピードで飛びます。その高速性ゆえに攻撃ヘリが随伴できないのならば、「オスプレイ」が飛ぶ間は追従可能な飛行機が護衛を担い、離着陸時は滞空(ホバリング)できる攻撃ヘリでフォローさせようという、向き不向きによる役割分担を考えたといえるでしょう。

 一方、装備については「オスプレイ」の重武装化です。攻撃ヘリコプターが誕生したように攻撃型「オスプレイ」を生み出してしまおうというもので、開発中のJAGM空対地ミサイルや、空対地ロケット弾、12.7mm機関銃または7.62mmガトリングガンを装備した対地攻撃型「オスプレイ」が検討されています。

【画像】空飛ぶ「オスプレイ」から陸自隊員がロープ1本で降りる瞬間

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コメント

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2件のコメント

  1. 役不足の意味違わないですか?

  2. 「役不足」の使い方を間違えてませんか?