あと鉄道さえあれば… 武蔵村山モノレール延伸に熱視線 東京唯一「鉄道ない市」どう変化

市外への通勤通学どうしてる? 一大勢力「自転車でモノレール」

 のどかな農業都市だった武蔵村山周辺は戦後、都内有数の公団住宅(都営村山団地)や日産自動車(旧プリンス自動車)村山工場などが整備され、一時は10年で3倍以上という急激な人口増加を経て、1970(昭和45)年に「武蔵村山市」となりました。

 その後、市は西武拝島線が市境から1km南側を通過していることに着目し、1983(昭和58)年、日産自動車との共同出資で同線に武蔵砂川駅を整備します。しかし武蔵村山市街地から遠いことなどもあり、駅を発着する路線バスは定着せず、現在はコミュニティバスの発着のみにとどまっています。

 現在、武蔵村山市から市外への通勤・通学の手段としては、自転車と鉄道を乗り継ぐ「サイクル&ライド」が多く、その割合が全国平均の3倍以上にのぼります。特に平日朝の上北台駅は、駐輪場やその周辺のファストフード店などがたいへんな賑わいを見せており、所在地は東大和市ながらも武蔵村山から市外へ出る際の「最寄り駅」と言えるでしょう。

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多摩都市モノレール終点の上北台駅(2020年9月、宮武和多哉撮影)。

 自転車利用が多い背景には、東大和市内のモノレール駅(上北台駅、桜街道駅)が近年まで無料駐輪場(現在は有料)を擁し、いずれも市境からさほど離れていなかったことが挙げられます。ただ現在は武蔵村山市側からの利用増加もあって徐々に駐輪場不足に陥り、同じく自転車乗り継ぎが多い西武拝島線・武蔵砂川駅では武蔵村山から定期の駐輪場利用で料金が高額になる(現在は解消)など、関係する自治体や利用者にも負担が生じていることがうかがえます。

 またこの地域の路線バスは、武蔵村山市側を立川バス、東大和市側を西武バスが担っているためか、武蔵村山市内から市境をまたいでモノレール各駅を結ぶ路線が元々多くありません。とりわけ上北台駅に向かう路線は、本数が少ない市営のコミュニティバス「MMシャトル」しかないこともあり、駅までの移動に自転車を選択せざるを得ない事情が伺えます。

【地図&写真】多摩都市モノレール延伸区間の位置/現地歩いてみた!

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コメント

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1件のコメント

  1. P4施設にはモノレールと同時完成などの条件をつければよかったのに。