「オスプレイ」って危ないの? 実はヘリよりも墜ちにくい機体 過去の事故原因と対策

滑空もオートローテーションも両方できます

 ほかにもV-22「オスプレイ」は、左右いずれかのエンジンが停止したとしても、主翼の中を通っているドライブシャフトを通して、片方のエンジン1基のみで両方のローター(プロペラ)を動かし続けることができます。加えて、ヘリコプターのように垂直離着陸できるため、飛行中に万一、両方のエンジンが停止したとしても「オートローテーション」での着陸が可能です。なおオートローテーションとは、エンジンとの接続を切り離されたローター(プロペラ)が風の力により回転し、その回転数を維持し続けることにより接地の衝撃を和らげる着陸方法です。

 こうした特徴がありながら、V-22は飛行機であるため滑空も可能です。この方がオートローテーションによる着陸よりも安全であることから、緊急時の優先度としては「滑空>オートローテーション」という位置付けのようです。

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日米共同演習で海上自衛隊の輸送艦「しもきた」に着艦したアメリカ海兵隊のV-22「オスプレイ」(画像:陸上自衛隊)。

 さらにV-22は、軍用機として敵の攻撃を受ける可能性も考慮したうえでの安全策が講じられています。

 そのための対策としては、エンジンからの排気熱を下げる赤外線排出抑制装置や、自機に向かってくる敵ミサイルの警戒・欺瞞用である「ミサイル警報装置」や「チャフ・フレア」装置を装備しています。また胴体の横に張り出している燃料タンクは、12.7mm重機関銃弾が直撃しても問題なく飛行できるよう、「セルフシーリング」と呼ばれる被弾箇所からの燃料漏洩を防ぐ機能を備えるほか、万一漏れ出して燃料が気化しても引火爆発を防ぐために不燃性ガスをタンク内に充填できるようになっています。さらに限度はあるものの、この燃料タンクが胴体側面にあることで、ここが空間装甲となり、機内に銃弾が飛び込みにくくなるよう設計されています。

【写真】「オスプレイ」の機内 操縦席は飛行機と一緒?

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コメント

6件のコメント

  1. ヘリの事故はなくなりませんね。長野県の防災ヘリは高所救助の訓練の勇姿を見ただけに犠牲になった乗員ともども残念でなりません。

  2. オスプレイの安全性に関する記事、興味深く読ませて頂きました。ありがとうございます。疑問が生じたのですが、オスプレイはオートローテーションできるのでしょうか? 海兵隊の"V-22 Osprey Guidebook"の2011/2012年版の36ページに、「オスプレイはオートローテーションできないので危険ではないか」という疑念に対し海兵隊が「オートローテーションに頼らずとも1つのエンジンで飛行可能で、万が一の場合滑空できる」(意訳)と答える部分があります。また、2009年のアメリカ議会調査局による報告書"V-22 Osprey Tilt-Rotor Aircraft: Background and Issues for Congress"の40ページには"The inability of V-22 to safely autorotate has now been acknowledged by the manufacturer and the US Marine Corps"とあります。オスプレイは固定翼機モードとして飛ぶ時間が大半であり、また滑空が可能なことから、オートローテーション機能は無いと認識したのですが...

    • つまり言いたかったのは、オスプレイはオートローテーションを想定していないのではないか、ということです。オスプレイにはオートローテーションで安全に着陸する機能はなく(またその必要性も薄く)、よってオートローテーションできることが安全に寄与している、という記事の内容に疑念を呈したいというものです。
      青木謙和『徹底検証!V-22オスプレイ--ティルトローター方式の技術解説から性能、輸送能力、気になる安全性まで』(2012年、ソフトバンククリエイティブ株式会社)を参考にしました。

  3. この様な事実に則した客観的な記事を報道しない沖縄のメディアに沖縄県民はオスプレイは欠陥機体と洗脳されている。

  4. 民間転用して旅客機やヘリスキー用として乗れたらイメージアップになりそう。

    • 離島間の人や貨物の空輸にはティルトローター機いいと思う。平らな広い土地が無くてもヘリポート作れるだけの土地があればいいんだから。