超マルチ機「ドーントレス」WW2で形勢逆転のきっかけに 国民誌タイムが称賛のワケ

太平洋戦争開戦時、アメリカ海軍の空母搭載機であった「ドーントレス」急降下爆撃機は、偵察機や戦闘機にも使用可能なほど汎用性が高い機体でした。そんな同機が雑誌『タイム』に取り上げられた理由を追います。

爆撃だけでなく偵察・迎撃なんでもやります

 しかし、空母は陸上基地と異なり、運用(搭載)できる機体の数に限りがあります。そこで、まだ空母が本格的な実戦を経験する前、すなわち第2次世界大戦以前(戦間期)は、1機種でいくつかの異なる任務を遂行可能な、今でいうマルチロール機が求められました。

 たとえば、雷撃機と水平爆撃機を同一の機種(艦上攻撃機)にまとめたり、急降下爆撃機と偵察機を同一の機種が務めたりといった感じです。さすがに戦闘機だけは、絶対的な戦闘能力が求められたことから、他の用途を兼ねるようなことはほぼありませんでしたが、第2次世界大戦後半になると、2000馬力級の大馬力エンジンを得たアメリカ製の艦上戦闘機は、戦闘爆撃機化していきます。

 このような複数の用途を兼ねるという流れは「ドーントレス」も同様で、最初から急降下爆撃機と偵察機を兼ねる機体として開発されました。

 しかも「ドーントレス」は、搭載機数に限りのある空母において、艦上戦闘機の不足を補う、いわゆる補助戦闘機として使うことも考慮していたため、爆弾を搭載しない場合の運動性能は、急降下爆撃機としては類を見ないほど優れていたのです。

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1943年11月、空母「エンタープライズ」の上をフライパスするSBD「ドーントレス」の編隊(画像:アメリカ海軍)。

 実際「ドーントレス」は、第2次世界大戦中に九九式艦上爆撃機をはじめ、九七式艦上攻撃機、一式陸上攻撃機、各種水上機、さらに零式艦上戦闘機(零戦)までも含む120機以上を、太平洋の全域で撃墜しています。この事実から「ドーントレス」の搭乗員たちは、本機の略号である偵察機を示す「S」、爆撃機を示す「B」、海軍の区分によるメーカー記号の「D」を組み合わせた本機の略号「SBD」のSBの後ろに、戦闘機を示す「F」を小文字で足して「SB“f”D」と称し、時として戦果に恵まれない戦闘機隊のパイロットたちをからかったとも伝えられます。

 とはいえ、「ドーントレス」の第一線引退が『タイム』に取り上げられたのには、別の大きな理由が関係していました。

【写真】「ドーントレス」の妹分 その名は「バンシー」

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