超マルチ機「ドーントレス」WW2で形勢逆転のきっかけに 国民誌タイムが称賛のワケ

太平洋戦争開戦時、アメリカ海軍の空母搭載機であった「ドーントレス」急降下爆撃機は、偵察機や戦闘機にも使用可能なほど汎用性が高い機体でした。そんな同機が雑誌『タイム』に取り上げられた理由を追います。

戦争の流れ変えた乾坤一擲の殊勲機

 1941(昭和16)年12月8日、ハワイ真珠湾(パールハーバー)への攻撃によって日本とアメリカは戦争状態に突入しました。以降、アメリカは快進撃を続ける日本に押されっぱなしでしたが、1942(昭和17)年6月のミッドウェー海戦で、アメリカ海軍は当時、旧日本海軍の機動部隊の主力であった「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の艦隊空母4隻を撃沈する大戦果を挙げます。この大戦果の端緒となったのが、「ドーントレス」による急降下爆撃の成功でした。

 この海戦で旧日本海軍が大敗したことで、アメリカと日本の形勢は急速に逆転していき、それから3年後の1945(昭和20)年8月15日、日本はアメリカを始めとした連合国軍に無条件降伏することになります。

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1942年2月、空母「エンタープライズ」の飛行甲板で発艦準備中のSBD「ドーントレス」急降下爆撃機の一群(画像:アメリカ海軍)。

 つまり「ドーントレス」は、アメリカにとって歴史に残る一大逆転劇をはたした最大の殊勲機だったといえるでしょう。だからこそ、その引退が国民的雑誌『タイム』で報じられ、アメリカ全土に広く告知され、惜しまれたという訳です。

 なお愛称の「ドーントレス」とは、日本語に訳すと「恐れ知らず、不撓不屈、勇敢な」という意味になります。まさしくその愛称に恥じない働きぶりを同機はミッドウェー海戦で見せたといえるのではないでしょうか。

【了】

【写真】「ドーントレス」の妹分 その名は「バンシー」

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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