この冬いつものCMがない… 転換点を迎えた「ガーラ湯沢駅」の生い立ちと未来
越後湯沢駅から250円で新幹線車両に乗れる
ガーラ湯沢駅は鉄道ファンにも特徴が認知されています。まず「冬しか営業しない駅」です。スキー場の営業期間と連動しているためです。市販の時刻表にも夏の間は駅自体が掲載されません。巻頭の路線地図からも越後湯沢~ガーラ湯沢間の線路が消えます。そしてJR東日本から営業予定日が発表されると路線図に復活します。
次に「最も安く乗って来られる新幹線の駅」です。越後湯沢~ガーラ湯沢間の運賃は150円、特急料金は100円。合わせて250円で新幹線車両に乗れます。これはこの区間が在来線扱いで建設されたためです。新幹線車両しか走らないけれど在来線というわけです。同じ扱いの路線として、山陽新幹線につながっているJR西日本の「博多南線」があります。博多~博多南間の運賃は200円、特急料金は100円、計300円です。
ガーラ湯沢駅はスキー場と一体化しており、改札口を出るとそこは施設「スキーセンター カワバンガ」です。ゴンドラ乗り場、スキー用具レンタルショップ、ロッカールーム、売店、温泉施設、レストランがあります。
しかしスキー場と一体化していることが、ガーラ湯沢駅の強みであり、同時に弱点にもなります。少子化や趣味の多様化によるスキー客の減少、特に現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けています。そこで、JR東日本は新たな試みを始めました。観光地で余暇を楽しみながら働く「ワーケーション」です。
ちなみに八幡平のスキー場はケーブルカーやロープウェイなどを手掛ける日本ケーブルが譲渡を受けて、現在ではグループ会社のNCリゾートマネージメントが「アルピナリゾーツ」の中の「八幡平リゾート」として運営しています、念のため(他に越後湯沢駅徒歩8分!の湯沢高原スキー場やびわ湖バレイ、神戸布引ハーブ園など)。
ありがとうございます。今シーズンは、まさにコロナ禍を象徴する結果となりました。緑色のJRは「SKI SKI」を例年通り実施はするものの、俳優やテーマソングの起用やCMナシなどで大幅に縮小規模でありました。更には緊急事態宣言の発令やGOTOキャンペーンの停止も、ちょうど腑の悪いこの時期でありますから尚更であります。仮に宣言終了やGOTO再開の頃には、もうスキーシーズンの末期か終了となりますので非常に残念な結果になります。尚且つ皮肉にも今シーズンは、昨シーズンの雪の量が劇的に少ない状態に比べて、雪質が極めて良い状態でありました。緑色のJRの広告も今シーズンは当キャンペーンの広告はなく、代わりに終電繰り上げ関連や新しい生活スタイル(時差出勤など)関連の広告が中心となっており、例年いつもあるものがないので、雰囲気が大きく変わります。来シーズンは、またいつものように「SKI SKI」の広告が戻ってほしいものであります。
2021-2022シーズンの「JR SKISKI」は30周年で、E7系に歴代キャンペーンソングのアルバムのジャケットの上にそのポップが貼られているポスターと、歴代のキャッチフレーズがその画像とともに書かれているポスターがありました。その中で、映画「私をスキーに連れてって」とコラボした2017-2018シーズンのキャッチフレーズが書かれたポスターに加え、CMもキャンペーンソングもイメージキャラクターもなく、特設サイトとYouTubeのイメージビデオだけだった2020-2021シーズンのキャッチフレーズ「冬の空気を変えろ」が書かれたポスターもありました。
2022-2023シーズンのキャッチフレーズは「冬を取り戻せ」です。
参考までに。八幡平に関しては大更から東八幡平に行く鉱山鉄道があり、花輪線からの乗り入れだけでなく上野から直通列車「銀嶺八幡平」もありました。