この冬いつものCMがない… 転換点を迎えた「ガーラ湯沢駅」の生い立ちと未来

駅チカに広大な土地 「新幹線で日帰りスキー」ができる

 ガーラ湯沢スキー場が開業した1990年は、JR東日本の発足から4年目でした。国鉄時代に「民間企業の妨げになる」として抑制されていた副業が解禁されたため、新規事業としてスキー場の運営に取り組んだのです。事業は社内のアイデアとして募集されたものでした。

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ガーラ湯沢駅(2012年4月、杉山淳一撮影)。

 ガーラ湯沢スキー場の南隣、越後湯沢駅の近くには約70年の歴史を持つ湯沢高原スキー場があり、上越新幹線の開業で施設が充実しにぎわっていました。我々もスキー場をつくりたい。広大な土地を求め見渡せば、越後湯沢駅の近くに新幹線の保線基地がありました。「ここならば東京から新幹線を使って日帰りスキーができる」と考えついたわけです。

 実はJR東日本グループは当時、別のスキー場を経営していました。岩手県の八幡平スキー場です。1979(昭和54)年に当時の国鉄が設立した東北リゾートシステムを引き継いでいました。スキー場がなぜ設立されたかは不明ですが、赤字だった国鉄の再建事業のひとつと思われます。しかし利用客が低迷し、事業を継承したJR東日本は2002(平成14)年に撤退します。

 花輪線の大更駅(岩手県八幡平市)からバスで約30分という立地は、鉄道と関連しているといいがたい状況でした。一方ガーラ湯沢の開発は、八幡平の反省を踏まえ「駅から近い」を意識したといえます。「日帰り」にもこだわり、大規模なスキー場としては珍しくホテルがありません。これは越後湯沢駅付近の宿泊施設に配慮したとも考えられそうです。

【写真】250円で新幹線に! やや入手困難なきっぷ

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コメント

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4件のコメント

  1. ちなみに八幡平のスキー場はケーブルカーやロープウェイなどを手掛ける日本ケーブルが譲渡を受けて、現在ではグループ会社のNCリゾートマネージメントが「アルピナリゾーツ」の中の「八幡平リゾート」として運営しています、念のため(他に越後湯沢駅徒歩8分!の湯沢高原スキー場やびわ湖バレイ、神戸布引ハーブ園など)。

  2. ありがとうございます。今シーズンは、まさにコロナ禍を象徴する結果となりました。緑色のJRは「SKI SKI」を例年通り実施はするものの、俳優やテーマソングの起用やCMナシなどで大幅に縮小規模でありました。更には緊急事態宣言の発令やGOTOキャンペーンの停止も、ちょうど腑の悪いこの時期でありますから尚更であります。仮に宣言終了やGOTO再開の頃には、もうスキーシーズンの末期か終了となりますので非常に残念な結果になります。尚且つ皮肉にも今シーズンは、昨シーズンの雪の量が劇的に少ない状態に比べて、雪質が極めて良い状態でありました。緑色のJRの広告も今シーズンは当キャンペーンの広告はなく、代わりに終電繰り上げ関連や新しい生活スタイル(時差出勤など)関連の広告が中心となっており、例年いつもあるものがないので、雰囲気が大きく変わります。来シーズンは、またいつものように「SKI SKI」の広告が戻ってほしいものであります。

    • 2021-2022シーズンの「JR SKISKI」は30周年で、E7系に歴代キャンペーンソングのアルバムのジャケットの上にそのポップが貼られているポスターと、歴代のキャッチフレーズがその画像とともに書かれているポスターがありました。その中で、映画「私をスキーに連れてって」とコラボした2017-2018シーズンのキャッチフレーズが書かれたポスターに加え、CMもキャンペーンソングもイメージキャラクターもなく、特設サイトとYouTubeのイメージビデオだけだった2020-2021シーズンのキャッチフレーズ「冬の空気を変えろ」が書かれたポスターもありました。
      2022-2023シーズンのキャッチフレーズは「冬を取り戻せ」です。

  3. 参考までに。八幡平に関しては大更から東八幡平に行く鉱山鉄道があり、花輪線からの乗り入れだけでなく上野から直通列車「銀嶺八幡平」もありました。