まるでリレー号? 地震で不通の東北新幹線 補完の臨時列車は過去にも運行

元祖「新幹線リレー号」は新幹線の延長

 福島~仙台間の「新幹線リレー号」は583系電車などの特急形車両が使われました。全車自由席で、途中は白石駅(宮城県白石市)のみに停車。これにより、東京~仙台間が最短3時間5分で結ばれ、被災地支援に向かう人は迂回せずに仙台入りが可能になりました。

 ところで、この「新幹線リレー号」の歴史は国鉄時代末期までさかのぼります。

 1982(昭和57)年6月、東北新幹線が大宮~盛岡間で開業しました。この時から上野駅へ延伸開業する1985(昭和60)年3月まで、上野~大宮間の在来線で運行されたのが元祖「新幹線リレー号」です。車両は当時、最新鋭だった185系など。途中の停車駅はありません。先述した天災に起因する臨時列車とは異なり、新幹線特急券を購入しないと利用できなかったうえ、上野、大宮の各駅では乗降ホームがほかの在来線と分けられ、きっぷの確認が行われました。

 今回、新幹線「なすの」を補完する形で運行された列車は、新幹線への乗り継ぎがない点で「新幹線リレー号」とは趣旨が異なります。しかし特急形車両を用い、新幹線と同じかそれに類する停車駅で運行された点は、往年の「新幹線リレー号」を彷彿とさせるものがありました。

【了】

【1982年 上野駅】当時最新鋭の185系「新幹線リレー号」

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コメント

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2件のコメント

  1. 検査が切れていないものはしばらく残しておけばよいのにできない理由があるのだろう

  2. たしかに本数は減ったが動いている区間(上野〜那須塩原)に臨時の「快速」、しかも1本のみ走らせて何か意味あるんだろうか? どうせ走らせるなら不通になってる那須塩原〜仙台間に走らせれば良いのに。テレビニュースなどでも困っている人のインタビューがあったし。
    航空機は急遽羽田〜仙台便を臨時に復活させてたけど鉄道(J R)はダメだね。新幹線ありきで在来線をほったらかしにして、新幹線の代替としての長距離特急も全て無くして、さらには485系のような交直流の特急急行用車両も始末しちゃったしね。
    災害の多い日本では予備手段というのは重要な筈だがコストばかり考えてるとこうした問題も出てくるんだよな。