葛飾区「新金線の旅客化」本当に可能? 貨物線の旅客転用は課題山積 現地で感じた「壁」

葛飾区を南北に貫く貨物線「新金線」を、旅客鉄道として活用する構想が進んでいます。川に分断され南北の道路が貧弱な沿線にとっては悲願ですが、周囲の踏切や再開発の事情があり、実現は容易ではありません。

貨物線をLRTに

 東京都葛飾区が、区内を南北に貫きJR総武線と常磐線をつなぐ「新金(しんきん)貨物線」を旅客鉄道として活用すべく検討を進めています。武蔵野線や京葉線などの開通後に列車の運行が少なくなっていることから、短い駅間で気軽に乗れるLRT(ライトレールトランジット)として整備する計画です。

 新小岩~金町間の7.1kmを7駅設置案なら17分、10駅設置案なら22分で結ぶという計画で、葛飾区は交通政策課の中に専任担当を置き、周辺整備のために今後100億円を目標に積み立てを行う予定です。また区議会でも与野党問わず、会派ぐるみでの賛成や「実現を目指す」と明言する向きも多く、行政視察の行き先もLRTの活用が進む富山県が選ばれるなど、活発な動きを見せています。

 しかし都営大江戸線や多摩都市モノレールの延伸などを積極的に進めている東京都としては、この旅客化は特に優先されていないようです。にもかかわらず葛飾区は、なぜそこまで「新金線の旅客化」にこだわっているのでしょうか。その背景には新金線沿線地域の交通事情があります。沿線を路線バスと徒歩でこまめにたどってみました。

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京成高砂駅を発車する京成タウンバス小54系統。駅前の踏切を通過するのに5分以上を要した(宮武和多哉撮影)。

南北移動のバスはとにかく時間がかかる

 葛飾区内には、京成バスや京成タウンバスなどのバス路線網がきめ細かく展開されており、なかでも南北に移動するバス路線の代表格としては京成タウンバスの小55系統(金町駅~柴又~小岩駅)が挙げられます。映画『男はつらいよ』でお馴染みの柴又帝釈天(題経寺)を経由することもあって数分に1本の高頻度で運転されていますが、新金線沿線からは離れています。

 他方、新金線の新駅設置が予定されている細田、高砂、奥戸をカバーする京成タウンバスの小54系統(亀有駅~京成高砂駅~京成小岩駅)は、直線なら4kmほどの距離を50分かけて進むため、たまに運転手の方から「この系統は時間がかかります、よろしいですか?」と確認が入るほどにクネクネとしたコースを進みます。

【地図】新金線の位置/写真ギャラリー

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コメント

2件のコメント

  1. 毎年30兆円以上の赤字国債を発行するほど財政規範が崩壊したこの国で、鉄道新線などこれ以上作らない方がよいのではないですか?現状バスで間に合っているようだし、朝に総武線に常磐線が合流する隙はないような気がしますが。

  2. 小55系統(金町駅~柴又~小岩駅)は、の運行は、タウンバスではなく京成バスです。