21世紀に入っても運用!? WW2期米ソの代表的戦車 M4「シャーマン」とT-34の「戦後」

現地改修なども行われ21世紀が始まっても現役だった?

 M4は現地でのカスタム車両が多く、イスラエルの「スーパーシャーマン」のほかにも、第2次世界大戦終結直後のフランスで、M4にドイツ製「パンター」中戦車の7.5 cm KwK 42 L/70戦車砲を改良した砲塔を搭載するなどして、戦力アップを図りました。1950年代に東側陣営から離脱したユーゴスラヴィア連邦政府も、西側陣営に接触し、その際にM4を改造した戦車を配備しています。

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T-34の改良型、T-34/85戦車(柘植優介撮影)。

 T-34のカスタムもないわけではなく、ユーゴスラビアでは、東側陣営離脱直前にT-34/85の砲塔を改造し、砲弾を弾く能力を強化した「テスキ・テンキ・ヴォジロA」という戦車を計画していましたが、ソ連との関係が切れてしまったので白紙となりました。またエジプト軍では、1970年代末には戦力として非力となったT-34に、100mm砲や122mm砲をつけることで自走砲化したT-34-100、T-34-122などが現地改修車両として配備されていました。

 両車両とも、21世紀に入っても装甲戦力として使用され、M4は2018年にパラグアイ軍で退役したものが最後の車両といわれており、T-34は2019年まで現役だったラオス軍の車両が同年、ロシアへ返還されたことが話題になりました。ただ、T-34に関してはパレード用としていまだにロシアで使用されており、北朝鮮軍は2021年現在も現役戦力として保有しているという話もあります。

 2014(平成26)年に発生したウクライナ動乱では、戦争博物館から持ち出された大戦中の重戦車が戦力化されたという噂がありました。もしかすると、T-34だけではなくM4にも、また登場の機会が巡ってくるのではと思ってしまいます。

【了】
※一部修正しました(3月8日19時22分)。

【写真】WW2期の戦車といえば…実寸再現されたドイツIV号戦車

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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3件のコメント

  1. M4は星型空冷エンジンのガソリン車とあるが
    M4にもディーゼルエンジンあるし
    ソ連にレンドリースされた
    この記事書いた
    斎藤雅道は知っているのかな

  2. T-34は2020年にイエメン内戦で使用されているのが確認されていますし、ウクライナ内戦で担ぎ出されたのはIS-2ではなくIS-3です。