「ムーミン」「クマイチ」に「パイパイ」? 鉄道ファンが好んで使う愛称の数々

鉄道車両には鉄道会社が公式に付ける愛称だけでなく、鉄道ファンが独自で付ける愛称があります。その愛称は見た目からだったり製造番号からだったりと様々です。一部は鉄道ファンだけでなく一般にも浸透しています。

特定番号機での愛称

 鉄道車両のなかには同一形式でも塗装が異なっていたり、形態に違いがあったりします。以下の愛称は特徴ある車両を製造番号の数字から名付けたものです。

蒸気機関車

●「ヨンキュッパ」

 JR東日本が最初に動態復元した蒸気機関車で、1988(昭和63)年12月23日に「オリエント急行’88」をけん引して復活を遂げたD51形498号機です。

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上越線の快速「SLぐんま みなかみ」などに使用されるD51形498号機(伊藤真悟撮影)。

電気機関車・ディーゼル機関車

●「クマイチ」「ニーナ」

「クマイチ」とは901号機のことです。「キューマルイチ」→「クマイチ」となったようです。901号機は試作機で、JR貨物のDF200形ディーゼル機関車やDD200形ディーゼル機関車、HD300形ハイブリッド式機関車、EF210形電気機関車、EH200形電気機関車、EH500形電気機関車の901号機に対して呼んでいます。

「ニーナ」はEF66形電気機関車の27号機。唯一残ったEF66形0番台で、国鉄時代の塗装であることから人気となっている機関車の1両です。

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東武鉄道に譲渡されたDE10形1109号機をけん引するEF200形901号機(2020年4月4日、伊藤真悟撮影)。

●「パイパイ」

 EF81形電気機関車の81号機です。同機はお召列車をけん引したこともあり、その際に車体側面に銀色の帯を入れていました。一時期、81号機は赤い車体に流星を描いた「北斗星色」となりましたが、2014(平成26)年8月に車体色をローズピンクに戻して車体側面に銀帯を入れ、かつてお召列車をけん引した時の姿となっています。

●「キューゴー」「セントーク」「ゲッパ」

「キューゴー」はEF81形95号機、「セントーク」はEF65形1019号機、「ゲッパ」はEF65形1118号機のことで、いずれも欧風客車「スーパーエクスプレスレインボー」(既廃車)にあわせた塗装が特徴です。しかし、現存するのはEF81形95号機のみとなっています。

●「Pトップ」「セントップ」

「Pトップ」はEF65形501号機。EF65形500番台には旅客(Passenger)形と貨物(Freight)形がありますが、同機は旅客形のトップナンバーであることから呼ばれます。「セントップ」はEF64形1001号機とEF65形1001号機のことで、1000番台のトップナンバーであることが由来です。

 このほか、欧風客車「ゆうゆうサロン岡山」(リニューアル後は「ユウユウサロン岡山」)にあわせた塗装のEF65形123号機を、ファンのあいだでは「ヒフミ」と呼んでいました。

【写真】鉄道ファン独自の愛称が付いた車両いろいろ

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コメント

3件のコメント

  1. EF55の俗称は、靴のおばけ、またはドタ靴だとききましたが。 

    他は符丁で車両を語り合える相手がいないので知りません。

  2. 呼び方いくつか違うのあって草

    にわかがしゃしゃり出んな

  3. 写真で、東武に譲渡されたディーゼル機関車を牽引した機関車はEF200ではなく、EH200です。

    北海道新幹線の開業による寝台特急「カシオペア」の廃止に伴い、「カシ釜(ガマ)」は「銀釜(ガマ)」になりました。(EF510-500の「北斗星」は、流星デザインが消え、直流機と間違えられやすくなりました)